緊急事態宣言が出ている今年のゴールデンウイーク。「巣ごもり消費」が活発化していると言われ、これまで利用したことのなかった人がネットスーパーなどの通販を利用するようになったケースもあるだろう。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 緊急事態宣言が出ている今年のゴールデンウイーク。「巣ごもり消費」が活発化していると言われ、これまで利用したことのなかった人がネットスーパーなどの通販を利用するようになったケースもあるだろう。ネット通販に関しては、コロナウイルスとは関係なく、中国では利用率が非常に高く、実店舗の経営を脅かす存在となっている。中国メディアの今日頭条はこのほど、「なぜ日本では実店舗が生き残っていられるのか」と題する記事を掲載した。

 中国でのネット通販の魅力は何といってもその安さだろう。値段で勝てない実店舗が店を閉めざるを得なくなるというのはよく聞く話だ。しかし記事は、日本では「実店舗には一定の需要がある」と紹介、その理由を分析した。

 記事は、「日本は実店舗がとても魅力的だ」と指摘。店にいったん足を踏み入れれば様々な商品があり、実店舗でしか味わえないウインドーショッピングが楽しめると分析した。ある店の写真も掲載しているが、テーマを絞り客が商品を手に取ってみたくなるような魅力的なレイアウトをしているのが見て取れる。これは、どの店に行っても似たり寄ったりの商品しか置いていない中国とは違う点だろう。

 記事はさらに、「サービスの質の高さ」も関係していると分析した。日本には当日のうちに届けてくれる配送サービスがあるとも紹介しているが、日本の店舗のサービスがどれだけ高いレベルであるかは、日本に来たことのある中国人ならよく知っていることだろう。

 記事は結論として、日本では「実店舗が消費者に満足感を与えている」ため支持されていると称賛。逆に、中国でネット通販がよく使われているのは、通販のレベルが高いからではなく「実店舗に不満があるから」客が通販に流れているのだと手厳しく指摘している。

 記事の分析は、なかなか的を射ているといえそうだ。中国の実店舗は、上がり続ける家賃のために商品の値段を下げられないと言われている。最近の中国では新型コロナウイルスの影響で、家賃を払えずに閉店する店がすでに多数出てきており、ネット通販への依存度はますます高くなっていく可能性が高い。適正価格で、店で商品を手に取って楽しく安心して買い物ができるというのは、日本の良さの1つかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)