オランダリーグが今季のリーグ戦を打ち切ったのに対し、ポーランドリーグは5月末、フランスリーグは6月末の再開を目指しているという。

 一方、UEFAも、決勝トーナメント1回戦の途中で中断しているチャンピオンズリーグ(CL)を、8月末に一気に消化させる計画を持っている。実現する可能性がどれほどか、いまの段階ではなんとも言えないが、これはファンのためというより、スポンサーのため、テレビ放映権のため、クラブ経営のためなのかもしれない。

 試合が出来たとしても、無観客試合になることは必至。可能な限り短期間で決着を付けるホーム&アウェー方式ではない、クラブW杯的な簡素化されたトーナメント戦になるだろうとも言われている。

 中断がここまで長引くと、選手のコンディションも、チームプレーも100%の状態にはほど遠いだろう。シーズン終盤の大一番と言うより、プレシーズンに行われるエキシビション的な要素が、強くなるのではないか。中断に入った決勝トーナメント1回戦からの継続性が、失われてしまうような気がしてならない。

 正直、いまこの状況で、再開後の話をすることにあまり興味を持てずにいる。もし中断することなく、決勝トーナメント1回戦以降が行われていたら、どうなっていただろうか。各チームのこれまでの戦いを映像で振り返っていると、そちらの方に興味が湧く。

 すでに決勝トーナメント1回戦の戦いを終え、ベスト8入りを確定させているのは、アタランタ、ライプチヒ、パリSG、アトレティコの4チーム。

 そして、第2戦の残る4試合は次の通りになる(左側がホーム/スコアは第1戦の結果)。

(1)マンチェスター・シティ2-1レアル・マドリー
(2)ユベントス0-1リヨン
(3)バルセロナ1-1ナポリ
(4)チェルシー0-3バイエルン

 すでにベスト8進出を決めている4チームの中では、力的にパリSGとアトレティコがアタランタ、ライプチヒに勝っている。準決勝の組み分けにもよるがベスト4候補だ。

 第2戦4試合の情勢はどうだろうか。マンCとレアル・マドリー(1)の関係は55対45〜60対40でマンC。ユーベとリヨン(2)は互角。バルサとナポリ(3)はバルサ。チェルシーとバイエルン(4)はバイエルンだ。

 この中で接戦と目されるユーベとリヨンだが、いずれが勝ち抜いても他の候補に比べて、劣るとみる。今季のユーベは、例年より落ちる気がしてならないのだ。

 マンC(orレアル・マドリー)、バルサ、バイエルン。これにパリSGとアトレティコを加えた5〜6チームの争いになると予想する。

 この中で相手が最も嫌がっているチームはどこかと言えば、アトレティコだろう。他のチームは正面からぶつかってくる。ビッグクラブに相応しい戦いをしてくるが、アトレティコは違う。リバプールに勝った試合がそうであったように、弱者に徹した戦いができる。非優等生的な戦いを公然と仕掛けてくる。それでいながら巧い。選手は高い技量を持っている。このギャップにリバプールは戸惑い、焦り、慌てた。これぞダークホースに不可欠なキャラと言える。

 ダークホースが、より金満クラブを向こうに回し、優勝をさらうのか。まず想起するのは13-14シーズンだ。アトレティコはミラン、バルサ、チェルシーを倒し、決勝に進出。リスボンの「ルス」でレアル・マドリーと対戦した。

 開始9分、エースのジエゴ・コスタを怪我で欠くも、ゴディンのゴールで先制。残り時間あとわずかという段まで漕ぎつけた。そこで、セルヒオ・ラモスに同点ゴールを浴び、延長に持ち込まれ、そして最後は力尽きたと言う展開だった。

 その2シーズン後(15-16)もアトレティコは決勝に進出。レアル・マドリーと対戦している。この時も90分のスコアは1-1。延長PKで涙を飲んでいる。トーナメントでPSV、バルサ、バイエルンを倒し、決勝戦に進出した。