AirPodsだけで収益がアドビ並み? 投資アナリストがシリーズの売り上げを分析
様々な方面から売上が絶好調と伝えられている、アップルの完全ワイヤレスイヤホンAirPodsシリーズ。その2019年における総収益が、アドビのそれを越えたとのアナリスト分析が発表されています。この分析を公開したのは、自動車や仮想通貨などの投資アナリストKevin Rooke氏。同氏は個人ブログで、「120億ドルもの収益、前年比125%以上の成長率(2年連続)、およびアップル並みの粗利益(30〜50%)を上げるスタートアップを想像してくれ」と謎かけ。それがアップルのAirPodsビジネスであり、世界トップの時価総額とされる企業の最も急成長しているセグメントだ、と述べています。

Kevin氏によるとAirPodsシリーズの推定販売台数は、2017年には150万台とのこと。その売り上げは、価格が150ドル/台だったため、22億5000万ドル。これは2150億ドルと見積もられるiPhoneの年間収益に対しての1%となります。

それが2018年には3500万台で52.5億ドル、iPhone収益の2.4%に。さらに2019年には推定6000万台とされています。台数は倍々ゲームとまではは行かないものの、大きな伸びです。
さらに2019年における収益の面では、AirPods Proの価格が約250ドルに上っている点がポイントです。第1世代・第2世代・Proが同じ比率で売れていると仮定すると、ざっと120億ドル。これはiPhone収益の4.5%に上ります。

4.5%というと派手な印象はありませんが、これは世界で最も成功している製品・iPhoneの約20分の1ということ。それが2年連続、100%以上のレートでなおも成長を続けているのは驚異的と言えます。

この120億ドルという推計を世界のトップテクノロジー企業と比べると、どう見えるか。Kevin氏は棒グラフにして可視化していますが、なんとAirPodsシリーズ単独の売上がアドビの総売上を超えます。さらにこれは、Spotify、Twitter、Snap、およびShopifyを「合計した」額と同等という凄まじさです。

加えてKevin氏は、AirPodsシリーズの販売台数がここからも大きく成長する余地があると分析しています。
1つにはiPhoneのインストールベースは全世界で9億台ある、つまりほとんどのiPhoneユーザーがまだ完全ワイヤレスイヤホンを使用していない可能性があること。もう1つはアップルの株価が最近高騰しているのは、AirPods売上の成長への期待が織り込まれているからというわけです。

これらは大ざっぱな概算にすぎませんが、AirPodsシリーズの売上が2020年には前年から倍増するとの見通しは大手調査会社も述べていたところです。つまり完全ワイヤレスイヤホン市場が全般的に、まだ大幅な成長が見込めるということ。

サムスンやファーウェイ、アマゾンといった競合他社もこの市場にいっそう力を注ぐことになりそうです。

Source: Kevin Rooke(Blog)