今日は洋画の気分だけど、何みよう? そんなあなたに今回は、国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータを元に、映画好きの人気が高い洋画を15本ご紹介。不朽の名作から話題の最新作まで、Filmarks内で高評価の作品を集めました。

ショーシャンクの空に』(1994)

銀行副頭取のアンドリュー・デュフレーン(ティム・ロビンス)は、妻と愛人を射殺したという罪で、ショーシャンク刑務所に服役することに。彼は、他の服役囚となじめず、孤立していたが、調達屋のレッド(モーガン・フリーマン)と親しくなり、大掛かりな計画を密かに実行していく……。

主人公のアンディが降りしきる雨を全身で浴びる姿。雨を愛し、雨に愛される男が感じる開放感には手放しの感動を覚えてしまう。人間ドラマを得意とするフランク・ダラボン監督らしいこの名場面は涙なくしてみられないだろう。

『レオン完全版』(1994)

イタリア系のレオン・モンタナ(ジャン・レノ)はプロの殺し屋としてニューヨークで孤独に生きていた。ある日、汚職刑事スタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)によって家族が襲撃された少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)が隣人のレオンに助けを求めたことから二人の共同生活が始まる。

『グラン・ブルー』(88)などでフランス映画界を代表する名匠リュック・ベッソン監督のハリウッド初監督作品。あらゆる世代にファンが多く、屈指の名作として知られる本作の物語は、インディペンデント映画の巨匠ジョン・カサヴェテス監督によるハードボイルド映画『グロリア』(80)がベースになっている。

『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997)

舞台は1939年のイタリア。ユダヤ系イタリア人のグイド(ロベルト・ベニーニ)は小学校教師のドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)と結婚し、一子を授かる。三人家族の生活は幸せそのものであったが、やがてイタリアに駐留したナチス・ドイツによって一家は強制収容所に送られてしまうのだった……。

イタリアの名優・ロベルト・ベニーニがロシアの革命家レフ・トロツキーの言葉に感銘を受け、監督した魂のヒューマン・ドラマ。監督自ら、過酷な収容所にあっても愛する息子に人生の素晴らしさを教え続ける直向きなな父親を熱演。第71回アカデミー賞では主演男優賞、作曲賞、外国語映画賞を見事受賞した。

『プラダを着た悪魔』(2006)

ジャーナリストを目指しニューヨークへやってきたアンディ(アン・ハサウェイ)は、ニューヨーク随一のファッション誌「ランウェイ」の編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のアシスタント職を得る。誰もが憧れるファッション誌への就職であったが、それはミランダの鬼のような要求に耐える日々の連続を意味していた……。

人気テレビドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」の衣装も担当した、パトリシア・フィールドが本作でも衣装を担当。華やかなファッション界の様子をヴィヴィッドに活写。アン・ハサウェイが演じるアンディが垢抜けて美しくなっていく様子にワクワクすること間違いなしの代表的ロマコメ作品。

『ダークナイト』(2008)

犯罪渦巻く都市ゴッサム。街の平和を守るブルース・ウェインことバットマン(クリスチャン・ベイル)の前に新たな敵ジョーカー(ヒース・レジャー)が現れる。史上最悪の犯罪者ジョーカーが仕掛ける卑劣な生き残りゲームに漆黒のヒーローも苦戦する。

クリストファー・ノーラン監督、クリスチャン・ベール主演によるDCコミックスの大人気コミック「バットマン」実写化新シリーズ「ダークナイト・トリロジー」第2弾となる本作。何と言ってもジョーカー役を務めたヒース・レジャーの怪演ぶりが凄まじく、第81回アカデミー賞では助演男優賞に見事輝いた。

『アバウト・タイム 愛おしい時間について』(2013)

イギリスのコーンウォールに住むごく普通の青年ティム・レイク(ドーナル・グリーソン)は、21歳の時、父親かたタイムトラベルの能力があることを告げられる。彼は恋人を見つけるためにタイムトラベルを繰り返すようになり、魅力的な女性メアリー(レイチェル・マクアダムス)に出逢うのだが……。

土砂降りの中行われる結婚式のシーンはなぜか幸福感で溢れていて、ヒロインのレイチェル・マクアダムスは『きみに読む物語』(04)に続いて、雨の中の美しい恋人として印象付けられる。

『キングスマン』(2015)

ロンドンの高級テーラー「キングスマン」は裏ではスパイ組織の拠点となっていた。メンバーのハリー(コリン・ファース)は欠員を補うべく、命の恩人の息子であるエグジー(タロン・エガートン)をスカウトする。そして二人は人類滅亡の陰謀に挑んでいくことになる。

原作はスコットランド出身の漫画家マーク・ミラーによるコミック。監督はミラー原作の『キック・アス』(10)を映画化したマシュー・ヴォーンが担当。ベテラン俳優コリン・ファースと人気若手俳優タロン・エガートンW主演で、これまでになかった新たな超過激スパイ・アクション映画が誕生した。

『セッション』(2014)

ジャズドラマーを目指すニーマン(マイルズ・テラー)はアメリカ随一の名門音楽学校に入学し、伝説の教師フレッチャー(J・K・シモンズ)に師事する。しかし完璧主義者のフレッチャーの指導は想像を絶するほど厳しく、容赦ない罵声にニーマンは耐える他なかった。

監督は『ラ・ラ・ランド』(16)のデイミアン・チャゼル。第30回サンダンス映画祭でグランプリと観客賞受賞したことで世界各国の映画祭で注目を集めた。第87回アカデミー賞では3部門を受賞しており、鬼教師を怪演したJ・K・シモンズは見事助演男優賞を受賞した。

『ラ・ラ・ランド』(2016)

ハリウッド女優を目指すミア(エマ・ストーン)はオーディションに落ちてばかり。ある日、落ち込んでいたミアはっどこからともなく聞こえてくるピアノの音色に誘われジャズバーに入ると、ピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と出逢うのだが……。

本作は、正統なハリウッド式ミュージカル作品として製作され、公開後大きな注目と期待を集め、瞬く間に全世界で大ヒットを記録。第89回アカデミー賞作品賞の受賞こそ逃したものの、主要6部門を受賞し、エマ・ストーンは見事主演女優賞に輝いた。またライアン・ゴズリングは第74回ゴールデングローブ賞で主演男優賞を受賞している。

『グリーンブック』(2018)

舞台は1960年代のアメリカ南部。ニューヨークのナイトクラブで用心棒をしていたトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は、南部でコンサートツアーを行なう黒人ジャズ・ピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の運転手として雇われる。旅を続ける中、二人は友情を深めていくのだが……。

本作はトニー・リップの息子であるニック・ヴァレロンガが脚本と製作を担当し、まだ人種差別が激しかった南部での父とドクター・シャーリーとの友情秘話を映画化した作品。監督は『メリーに首ったけ』(98)などを手掛けてきたファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリー。第91回アカデミー賞では、作品賞、助演男優賞、脚本賞を受賞した。

『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)

1985年7月、大観衆を前に息を整えるフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)。そこから時は1970年まで遡る。後に婚約者となる女性や、バンドメンバーたちとの運命的な出逢い。こうして結成されたクイーンの歩みはしかるべくして始まる。

昨年、全世界にクイーン旋風を巻き起こした大ヒットミュージカル映画。伝説的ボーカリスト、フレディ・マーキュリーの栄光と挫折。偉大なロックスターの孤独や悲しみを際立たせる、以後スターダムを上り詰めていくフレディにとっての決別と覚悟の雨の描写が胸を熱くさせる。

『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)

様々な次元の世界でそれぞれが活躍するスパイダーマンたち。ニューヨークのブルックリンの名門校に通うマイルス・モラレスは自分の力をうまくコントロール出来ずにいた。そんな時、何者かによって時空が歪められ、異次元のスパイダーマンたちがマイルスあいる世界に集められるのだった。

マーベル・コミックスの大人気コミック「スパイダーマン」初のアニメーション化作品。製作はソニー・ピクチャーズ・アニメーションであるため、MCU一連の世界観とは異なる。キャラクターに合わせてコマ数を変えていく試みは今までにない発想で、コミックの世界を裏側から覗いているような感覚を味わえる。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)

アベンジャーズとサノスとの激闘によって全宇宙は半分にまで生命力を減退させてしまった。生き残ったアイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr.)、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)、ソー(クリス・ヘムズワース)は再集結し、サノスへの逆襲に打って出るのだが……。

マーベル・コミックスによるクロスオーバー企画「マーベル・シネマティック・ユニバース」第22弾にして完結編となる本作。インフィニティ・ストーンを巡る英雄伝の終結に全世界のマーベル・ファンが歓喜し、歴代興行収入ランキングでは『アバター』(09)を抜き、堂々の第1位に躍り出た。

『アラジン』(2019)

航海を続ける父親が子どもたちに語り聞かせるアラジンの物語。アグラバーの街で猿のアブーとともに貧しい生活をするアラジン(メナ・マスード)。彼は盗みを生業にしていたが実直な心の持ち主。そんなある日、市場に変装して繰り出していたジャスミン王女(ナオミ・スコット)と運命的な出逢いを果たし、二人は心を通わせていく……。

イスラームの説話集である「千夜一夜物語」を元にした1992年のディズニー・アニメーション『アラジン』を、『コードネーム U.N.C.L.E.』(15)のガイ・リッチー監督が実写化。永遠のファンタジー世界を完璧な映像美で描き出した。ランプの魔人ジーニーを演じるウィル・スミスの歌声にも注目。

『ジョーカー』(2019)

ゴッサム・シティで大道芸人として生きるアーサー(ホアキン・フェニックス)。母ペニー(フランセス・コンロイ)の介護をしながら、自身も精神疾患のためカウンセリングに通っていた。そうした日々を繰り返すうちに、人々を笑顔で幸せにしようとするアーサーの心の中に言い知れぬ狂気が渦巻き始めるのだった……。

DCコミックスの大人気コミック「バットマン」のヴィランであるジョーカー誕生秘話を描く本作は、第76回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞というアメコミ映画史上初の快挙を成し遂げた。ジョーカー役のホアキン・フェニックスは歴代ジョーカー俳優の中でも群を抜く怪演ぶりをみせ、圧倒的な演技力が世界中の賞賛を浴び、ジョーカー俳優として映画史にその名が刻まれることとなった。

【文・チャーリー】

※本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。