ありがとうIOC!そちらから言っていただけたので「東京五輪のマラソンと競歩を札幌に移す」件、早速取り掛かりますの巻。

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そう言っていただけるならそうしましょう!

東京五輪において若干の酷暑が懸念されているマラソン・競歩種目に関して、IOCが大ナタを振るいました。このたび発表されたIOCのプランによれば、東京五輪のマラソン・競歩種目を東京ではなく札幌で実施する意向であるとのこと。まったくもって理のある、「言っていただいて助かる」提案であります!

↓計画の発表っていうか、決定の通達って感じです!

「あー、札幌」
「はいはい札幌」
「やっぱりねー」
「私らも正直キツいなと」
「無理じゃん?と」
「思ってました」
「でも今さらですよ」
「温暖な気候って言っておいて」
「ウソですって引っ込めるのも」
「どうかなーと思って」
「尻込みしてたんですが」
「助け舟出していただいて」
「ありがとうございます」

こういうのをセクシーな解決策って言うんでしょうね!



まず大前提として、東京五輪が「東京」に固執しているということはありません。何でもかんでもあっちゃこっちゃに移動させるのは現実的に無理がありますが、すべてを絶対に東京でやらねばならないなどとは微塵も思っていないのです。サッカー競技は全国広域にて開催されますし、自転車競技は静岡県、野球・ソフトボールは福島県、さまざまな競技が埼玉・千葉・神奈川にて開催されます。もちろんプランとしては「東京」を第一義に考えるわけですが、既存競技場が利用できてコストが抑えられたり、「東京の海には波がない」など諸般の事情で他県に移動させているのです。

それにあたってはIOCはもちろん、各競技団体の意向がありますので東京の一存では決められません。「水が汚いのでは?」ということで開催に懸念が持たれているトライアスロン競技なども、日本側から横浜への変更案などをとうの昔に提示したうえで、それでも競技団体側から大東京の真ん中でやる都会的なイメージを強く要望された結果、お台場での開催となったもの。「合意」さえあれば別にコチラは変更もやぶさかではないのです。

東京が目指すのは、現実的な範囲で取り得る最大限のアスリートファーストです。「クソ暑いから全部フィンランドでやろう」みたいな根本から引っくり返るようなプランには応じかねますが、現実と折り合いがつく範囲においてはユルユルでクニャクニャする意志はあります。むしろIOCから「札幌」と言っていただいたほうが、世界陸連も「マラソンと競歩だけバラされると、選手村で宿泊できなくなったり、コーチの振り分けが面倒だからイヤです」とは言いにくいでしょうから、コチラとしても動きやすいというもの。

道にアサガオを並べたり、打ち水をかましたり、笠を配布したり、人工雪を降らせたり、風鈴をぶら下げたり、かちわり氷を配布したり、やれることは最大限やる覚悟でした。その一環で道路に熱が溜まらないように新しい技術で路面舗装をしたら「道路には熱が溜まらない代わりに熱が反射して逆に暑くない?」みたいな残念案件もありましたが、万策尽くす覚悟でした。そこに今回は「場所はこの際変更してもいい」という鶴の一声を得られたわけですから、億策尽くす覚悟でやろうではありませんか。タダで見られる競技が遠くに移動するのは残念ですが、優先されるべきは「アスリートファースト」です!

↓なお、小池都知事は「計画が唐突な形で発表された」と不快感を示したとのこと!

まぁまぁ、ご自分も豊洲市場移転中止とか、ボート競技会場を宮城に移すとか、バレー会場を横浜アリーナに移すとか、思いつきを唐突に発表してきたんだから!

バッハ会長も「この人には事前に話さなくていいや」って思ったんじゃないですかね!

次の選挙で落ちるかもしれないし!




現実的に考えれば、北海道マラソンのコースをベースに、スタートとゴールを札幌ドームに設定して実施するという形になるでしょうか。これに関しては交通に関するノウハウもありますし、札幌ドームはサッカー競技でも使用しますので開催にあたっての準備も未着手ということではありません。販売済チケットは払い戻せばいいこと。運営面では今からの変更でも十分に対応が効くでしょう。

肝心の気温の問題については、札幌でも夏は30度を超える日があるものの、「東京の一番暑い日」より「札幌の一番暑い日」が上ということはさすがにありません。たまたま東京だけ雨が降っていれば東京のほうが涼しいこともあるかもしれませんが、最悪を想定するならば札幌のほうがよりベターです。ここにアサガオ、打ち水、風鈴、笠、かちわり、人工雪、シロクマ、お化け、などこれまでに積み上げてきた対策を追加していけば、競技環境は大いに改善されるでしょう。

惜しむらくは、かねがね僕が提案してきた「ドローンによるキンキンに冷えたポカリスエット噴霧」という打ちポカリ案(※スポンサーに配慮して本番はアクエリアスで実施)が未テストのまま東京を諦めてしまうことですが、それもいたしかたないでしょう。急に来年の夏になってから「ドローンでポカリまきますから大丈夫です!」「キンキンに冷えてますから大丈夫です!」「絶対気持ちいい!」とか言い出してもタダのやべーヤツですからね。今年テストしなかった時点で打ちポカリは間に合いません。

実際問題、先頃行なわれていた世界陸上ドーハ大会では、アサガオこそないものの「真夜中にやる」という東京と似たプランでやってみた結果、男子50キロ競歩では14人、男子マラソンでは18人、女子マラソンでは全体の4割にあたる28人の途中棄権者を出しました。すべてが暑さ由来ではないかもしれませんし、2017年の世界陸上ロンドン大会でも男子マラソンで27人の途中棄権が出ていたりしますので「暑い=即アウト」とは言えませんが、全体の4割が棄権するような状況は放置できません。億策尽くすなら「札幌」は十分に理があります。正直、夏の東京は気温以上に半端なく暑いですからね!

↓世界陸上ドーハ大会での女子マラソンの優勝記録は2時間32分43秒でした!


真夜中にやったけど「ひとりも」2時間30分を切れなかった!

この優勝選手の自己ベストは2時間17分8秒(世界歴代4位)なのに!

いいレースのためにも暑いよりは涼しいほうがきっといい!

↓世界陸上ドーハ大会で金メダルを獲った男子競歩の鈴木雄介選手も「東京のコースは日陰がない」のでアカンと言ってましたし!

日本のアスリートにとってもイイ話です!

コッチから言わずに済んだことをIOCに感謝すべき!




こうなってくると9月の暑い東京で「世界選手権をガン無視して」までMGCを実施し、本番に近いコースで暑さに強い選手を選んだことの意味がなくなってしまった感じもしますが、まぁそれはそれ。「暑い」ことだけを利して勝とうなんて発想、開催国がすることじゃありませんからね。涼しいところでなら強いという自負がある方は、タイムで選ばれる最後のひと枠を狙って頑張ってください!

↓北海道であれば8月のマラソンにも実績がありますし、今よりは確実にイイでしょう!ご覧くださいこの涼しそうなこと!


沿道にもちょこちょこ長袖さんがいるくらいの気候!

開催国としても望ましいと思います!

IOCは「メンツ」と「現実味」に配慮したイイ提案をしてくれました!多謝!