子どもの学力は体力とともにアップする?
子どもの学力をアップさせたいなら学習時間を長くすればよいと思われがち。しかし、ある研究調査によると、運動が集中力や記憶力によい影響を与えるようです。
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運動と知力の関係
運動と学力の関係については、世界中でさまざまな研究がされています。
米国の大学が小学生を対象に行った大規模な調査では、体力測定の結果が優れている生徒は成績もよいことがわかったそうです。
また、スウェーデンで行われた研究では、体育の授業が毎日組み込まれたクラスと、週2回組み込まれたクラスとで比較すると、毎日体育があるクラスの方が算数・国語・英語の成績が優秀だったそうです。
運動をすると学力が上がるのは、運動をすることで脳の「海馬」という部分に刺激が与えられ、成長を促すためだと考えられています。「海馬」は記憶や空間学習に関わる大切な器官。実際に、10歳児の脳内をMRIで観察したところ、体力のある子どもの海馬は大きいのだとか。
ほかにも、有酸素運動をしたときに活動する脳の部分と読書や計算をするときに活動する脳の部分が同じことが、影響しているとも言われています。
また、運動の効果として、集中力の向上やストレスホルモンの濃度の低下なども挙げられます。どうやら、運動をする子どもは、「記憶力と集中力が向上し、ストレスを感じにくくなる」ことから、学力がアップするようなのです。
いつどんな運動をすればいいの?
運動が学力アップによいといっても、がむしゃらに運動をすればいいわけではありません。どんな運動をしたとしても、集中力が継続する時間は限られていますから、激しい運動や長時間の運動をする必要はないのです。
海外の研究チームによる大規模な調査でも、たった数分の運動で子どもの集中力が改善することがわかっています。ある研究では、10代の子どもに12分のジョギングをさせたところ、その後の1時間は、集中力が高い状態を保ったまま読解力がアップしたという報告もあります。
子どもには「よく学び、よく遊べ」ではなく、「よく遊び、よく学べ」という姿勢で教育してみるとよいのかもしれません。
【参考文献】
アンダース・ハンセン (著), 御舩由美子 (翻訳)(2018)『一流の頭脳』 サンマーク出版
「文:けんこうフィットNEWS 」
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