このたびは 幣もとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに
(小倉百人一首 第二十四首 菅家)

手向山八幡宮の錦のように色づく紅葉に感銘を受けてこの歌を詠んだとされる菅家(菅原道真公)をご祭神としておまつりする全国約1万2000社の天満宮、天神社の総本社である、北野天満宮。

その北野天満宮では、2018年10月25日(木)〜12月10日(月)の期間中、史跡御土居(おどい)のもみじ苑を公開しています。

「御土居」とは、天正19年(1591)豊臣秀吉が洛中洛外の境界と水防のために築いた土塁のことです。北野天満宮の境内西側にはその御土居の一部が残り、史跡に指定されています。

史跡御土居には現在も自然林が残り、四季おりおりの美しい景色を見ることができ、春の梅、秋の紅葉の美しさは特に有名です。

2018年(平成30年)の史跡御土居のもみじ苑の公開は、10月25日(木)〜12月10日(月)まで。(当初は12月2日までの予定でしたが、開苑延長となりました。)

公開時間は午前9時〜午後4時まで。日没〜午後8時まではライトアップがされています。

入苑拝観料は大人800円、子ども400円です。

料金には順路の最後にあるもみじ茶屋での茶菓子サービスが含まれるので、受付でもらう茶菓券をなくさないようにしましょう。

2018年11月15日現在の紅葉はまだ三分といったところで、赤く色づいた葉っぱもありますが、全体的にはまだ緑が多い印象でした。

もみじ苑には約350本の紅葉があり、紙屋川沿いを歩きながら紅葉を愛でることができます。

舞台から紙屋川を見下ろせるこの場所は、紅葉のピークには絶景ポイントとなるのだとか。

樹齢600年の大欅(ケヤキ)「東風」。幹回りは6メートルにも及ぶ大樹です。

11月なので、七五三のおまいりに訪れた親子の姿を多く見かけました。

完全な紅葉にはまだ少し早かったものの、赤と緑のグラデーションも風情があって美しいもの。

紙屋川にかかる朱塗りの太鼓橋「鶯橋」。青々とした葉によく映えます。

紅葉が散り始める時期には、紙屋川の水面が赤く染めあげられるそうです。

鶯橋を渡って少し歩いたところにある、樹齢400年の三又(みつまた)の紅葉。

三又の紅葉の葉はまだ緑が多かったですが、先端は色づき始めていました。

史跡御土居は想像以上に広く、景色を楽しみながらゆっくりと散策するのにぴったりです。

青空に映える紅葉。11月下旬あたりには、一面真っ赤な紅葉が見られるのではないでしょうか。

順路の最後には、休憩ができるもみじ茶屋があります。

最初にもらった茶菓券を渡して、お菓子とほうじ茶(セルフサービス)をいただきましょう。

茶菓子は、京都の老舗和菓子店「老松」が「もみじ苑」限定で提供している「北野大茶湯」というお菓子。しっとり柔らかく、優しい甘さの繊細なお菓子です。

七軒名物の七軒だんごや、老松特製の甘酒、北野あかつきうどんなども販売されていました。

1本から購入できる七軒だんごは、柔らかく温かいお団子に醤油だれをからめて、きな粉をまぶしたもの。ほうじ茶との相性が抜群です。ぜひ散策の後に味わってみてください。

もみじ茶屋のすぐ近くでは、日本の伝統文化とアートを融合させた「KYOTO NIPPON FESTIVAL」も開催中(〜2018年12月2日まで)。アート展は別途料金が必要となります。

これから11月下旬にかけて紅葉が見ごろを迎える京都。ぜひ、北野天満宮 史跡御土居のもみじ苑の紅葉を愛でに出かけてみませんか。

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名称 北野天満宮 史跡御土居のもみじ苑
住所 京都市上京区馬喰町
アクセス 市バス「北野天満宮前」下車すぐ(JR京都駅からは約30分)、嵐電(京福電車)「北野白梅町」駅より徒歩5分
公式サイト http://kitanotenmangu.or.jp/