「アナ雪」の世界を思わせる木造教会も。オスロの「ノルウェー民俗博物館」が面白い
ノルウェーの首都オスロ。ムンク美術館やノーベル平和センターなどの観光スポットが有名ですが、オスロ中心部から少し離れたところにあるビィグドイ地区にも必ず訪れたい場所があります。
それが、ノルウェー最大規模の野外博物館「ノルウェー民俗博物館」。
オスロの西側に突き出た半島に位置するビィグドイ地区は、個性豊かなさまざま博物館が集まるミュージアム地区。
市内中心部からはやや離れていますが、市バスで30分ほどで行くことができ、夏季であれば市庁舎前広場の港からフェリーも運行しています。
ノルウェー民俗博物館は、広大な敷地にノルウェー各地から集められた170以上もの建物を展示する博物館。
地域ごとのノルウェーの歴史的な風景が再現されているのみならず、1500年代からの衣装や工芸品も集められており、展示品はなんと23万点にものぼります。
ミュージアムの建物内に展示品が収められているのではなく、中世からの歴史を物語る建物がそのまま移されているので、その臨場感たるや一般の博物館とはケタ違い。その展示すべてをゆっくり見て周ろうと思えば、少なくとも半日はかかります。
さまざまな時代や地域の建造物が並ぶノルウェー民俗博物館最大の目玉が、「スターヴ教会」と呼ばれる木造の教会。
ヴァイキングが全盛だった時代に多く建てられたノルウェーの伝統的な教会で、その独特の曲線づかいは映画「アナと雪の女王」のお城のモデルになったといわれています。中世の時代には1000棟ほどあったといわれるスターヴ教会も、現在残っているのは30弱。
そのうちのひとつが、オスロの北200キロのところにあるゴールという町から、この博物館に移されました。1200年当時の姿をとどめる木造教会は、どこか東南アジアでみられる寺院にも似ています。
実際に「アナと雪の女王」のモデルになったといわれるのは、ラールダルという町にあるボルグルンド・スターヴ教会ですが、ここにある教会もよく似た姿をしているので、映画の世界観を味わうことができるはず。
ほかのスターヴ教会は交通の便が良くない場所に位置しているため、ノルウェー民俗博物館にあるスターヴ教会は、ノルウェーでもっとも気軽に観に行けるスターヴ教会なのです。
ノルウェー民俗博物館で展示されている建物は、古い農家の倉庫や19世紀の食料品店に銀行、20世紀前半の郵便局やガソリンスタンドなど、さまざま。
この博物館の面白いところは、多くの建物の内部に入れるようになっていること。
お店では当時売られていた品物、アパートでは居住空間までもが再現されており、当時のノルウェーの人々のリアルな生活らしぶりが感じられるのです。
広大な敷地内では、フォークダンスの披露や動物とのふれあい、民族衣装を着たスタッフによるガイドやパフォーマンスといったイベントも定期的に開催。牧歌的な風景を眺めていると、ここが21世紀のオスロであることを忘れてしまいそうです。
オスロの中心部から少し離れるだけで、驚くほどのどかな風景が広がるノルウェー民俗博物館。
あなたもここで、中世から近代までのノルウェー各地にタイムトラベルをしてみませんか。
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