ツイッターで解任の悔しさを滲ませたクルピ前監督。ふたたび日本の地を踏むことはあるのだろうか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 日曜日のJ1リーグ第16節、本拠地での清水エスパルス戦を1-2で落としたガンバ大阪。これで5戦勝ち星なしの16位で、クラブはついに大ナタを振った。今春から指揮を執るブラジル人指揮官、レヴィー・クルピ監督を更迭し、U-23チーム監督の宮本恒靖氏を新監督に昇格させたのだ。
 
 若手の積極登用などで一時は浮上の兆しを見せたものの、クルピ政権は2年の契約期間を全うできず、わずか6か月で終焉を迎えた。クルピ前監督と右腕のマテウ・ヘッドコーチは月曜日午後に解雇を言い渡されたという。

 
 メディアの前にいっさい姿を現わしていないクルピ氏は、火曜日になって自身のツイッターで苦しい胸の内を明かした。温和な紳士らしく、怒りがしっかり制御された淡々とした筆致である。
 
「ガンバは指揮官のチョイスを間違えた、そう言うほかない。私の志向するスタイルは彼らが考えるものとはマッチしなかったんだ。もはや打つ手はなかった。これまで日本に来るたび、私はいつも幸福な時間を過ごすことができたが、今回はなにかが上手くいかなかったようだ。でもしょうがない。フットボールとはこういうものである。人生は続くよ!」
 
 セレッソ大阪時代は縦に素早く仕掛け、両サイドを目いっぱいに活用するオープン攻撃を標榜した。かたや今回のガンバでは、長谷川健太前政権が植え付けたスタイルから脱却すべく、ボールを丁寧に繋ぎながら、攻守両面にアグレッシブな姿勢を貫く“ガンバらしさ”を求められた。強化サイド、保有戦力、そして指揮官のビジョンのいずれもがマッチングしなかったのである。
 
 クルピ前監督やクラブの公式ツイッターには、ガンバのサポーターから温かい感謝のメッセージが多く見られた。もっと言えば、ブラジル人指揮官に謝意を示す投稿が少なくなく、逆に、強化サイドへの不満不平が列記されている。
 
 宮本新政権は有無を言わさずスタートを切る。ふたたびサポーターの信頼を勝ち取り、クラブ、チームとの三位一体でV字回復を果たせるのか。シーズンはもう半分を過ぎようとしている。