工藤静香がソロコンサートでKoki,提供の楽曲を披露したときに私が驚いたこと
最近なにかと話題に上がる工藤静香。
彼女は木村拓哉との結婚後、18年のあいだ、その動向が注目されてきた。国民的アイドルグループの、なかでも1番人気のメンバーと一緒になったのだから、致し方ないことだろう。そして木村のファンにとっては許しがたい存在となってしまったようだ。
「当時は何かとバッシングされるので、キムタクの妻であることを極力アピールしないようにしていましたね。その後も、公の場で夫に関する話は一切することはありませんでした。ブログなどのSNSでも夫の存在はぼかしていましたから」(スポーツ紙記者)
ところが、SMAPの独立・解散騒動が勃発し、メンバーの動向が明らかになってくると、静香の名前を度々目にするようになってきた。
「SMAPの独立騒動のときは、静香さんが水面下で動いていたのではないかという噂が出ました。そして、木村が“裏切り者”と非難されたとき、彼女は週刊誌の直撃取材に答えていました。今までだったら、考えられないことです」(前出・スポーツ紙記者)
夫が窮地に立たされているときに、妻が手助けするのも、当たり前のことだと思うのだが、なぜか彼女だと、非難されてしまう。かたやインスタグラムに写真をあげただけで、すぐにケチをつけられる。とても気の毒だ。
そして、Koki,の芸能界デビュー。プロフィール不明の“謎の美少女”を装っていたが、早々に木村家の次女であることが発覚。
「ファッション誌でモデルデビューしたとき、詳しいプロフィールなどは何も明かされていないのにもかかわらず、次女であることがスポーツ紙で報じられました。ですが、それは初めから仕組まれていたことで、木村ではなく、陰で静香がプロデュースしているのではないかと言われています」(芸能プロ関係者)
工藤静香のライブツアーを観に行くとーー
歌手に女優、タレント、宝飾デザイナー、画家、さらに妻で母親と多忙を極める彼女だが、現在、ソロデビュー30周年を記念したアコースティックライブの全国ツアー中だ。東京公演を皮切りに、全国9か所で10公演を開催している。
7月13日に、埼玉県鴻巣市で行われたライブは、収容人数1000人強の会場がほぼ満席になるほどの盛況ぶり。
ファンの年齢層は彼女と同世代か、ちょっと上のひとたちで、まあ、いわゆる40代中盤〜50代くらいのオジサン、オバサンたち。『おニャン子クラブ』時代からのファンなのだろうが、オジサンの姿が特に目立つ。
冒頭のMCで静香が《先日、テレビ番組で“『おニャン子』時代はやる気ゼロだった”と、発言したんですけど、そこだけ切り取られて話題になっちゃったから困った》と切り出すと、会場からはどっと笑い声があがった。ときおり「しーちゃん」「しずかさーん」と客席から声がかかり、会場はなんだかハートフルな感じだ。
セットリストは、過去のヒット曲と新曲を中心に構成されており、静香とピアニストふたりだけというエコなステージ。
歌の合間には、特にリクエストコーナーでもないのに、客席から飛び出すリクエストに応えて、アカペラで歌うなど、ファンサービスは手慣れたものだ。ほかにも、芸能界入りのきっかけとなったオーディションで歌った『セーラー服と機関銃』を披露。
そんなステージのなかで私が驚いたのは、Koki,が作曲した『鋼の森』という曲を歌っているときだった。ちょっと変わった振り付けだなと思ったのだが、その手振りは、実は手話だったのである。
なぜ手話を?
彼女の話では、ライブに来るファンのなかにいつも、前方の席から手話で声援を送ってくれる女性たちがいるという。最初はわからなかったが、手話だと気付いたときに、自分もそれに応えようと、習い始めたそうだ。
そして、こんなエピソードまで。
《いま長女が、学校で『手話』を習っていて、あるとき先生に“あなたのお母さんは手話の世界では有名なのよ”と言われたんですね。どういうことかって言うと、“これ”は手話で“工藤さん”を表しているって言うの》
「これ」というのは、静香の通算7枚目のシングル『嵐の素顔』の、あの振り付けのことだ。
今回は長女の話だけで、木村拓哉やKoki,の話は出ることがなかった。やはり、意識的にそうしているのか、それとも、単にMCで話すほどのエピソードがなかっただけなのか。次回に期待したいところだ。
ただ、今回の熱のこもったステージからは、“ゼロ”どころか、やる気は十分に伝わっていたように思うーー。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。