エフゲニア・メドベージェワ【写真:Getty Images】

写真拡大

チャイコフスカヤ氏がメドベージェワの移籍劇に言及

 フィギュアスケートの平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)が恩師のエテリ・トゥトベリーゼ氏とのコーチ関係を解消し、羽生結弦(ANA)らを指導するブライアン・オーサー氏に師事することを表明。世界選手権を2度制した女王の移籍は大きな話題を呼んでいるが、ロシアフィギュア界の重鎮が「残念ながら大きな過ちを犯した」と落胆している。ロシアスポーツメディア「sports.ru」が伝えている。

 スケート大国が誇る世界女王の移籍劇に声を上げたのは、エレーナ・チャイコフスカヤ氏だ。1976年のインスブルック五輪アイスダンス金メダリストのロシアスケート連盟会長、アレクサンドル・ゴルシコフ氏の現役時代にコーチを務めていた。記事では「ロシアフィギュア界の重鎮」として紹介された78歳は、18歳の若き女王に対して言及した。

「残念ながらメドベージェワはトゥトベリーゼの元を去ることで大きな過ちを犯した。今回のことは彼女に何一つ、いいことを与えないだろう」

 このように話し、落胆している様子。記事では、新たに師事するオーサー氏がロシアではプログラムの演出に関してスケーターの意見を参考にしないと話したことを取り上げ、反論している。

「ロシアのフィギュアスケート学校ではスケーターの考えがいつも演出に考慮されている。すべてのプログラムが(振付師とスケーターで)共同で議論されている。ロシアのフィギュアスケート学校はより良いプログラムをもっている」

メドベ、ツルスカヤ…決断したそれぞれの道で、さらなる輝きを

 チャイコフスカヤ氏はスケート大国として育成文化に自信をのぞかせ、ロシアでは選手と振付師の関係性が対等であると自負しているようだ。

 今回の移籍劇を巡っては、公式戦で女子初の2本の4回転ジャンプを成功させたトゥトベリーゼ氏の教え子、13歳のアレクサンドラ・トルソワ(ロシア)について、オーサー氏が「トルソワは短期間の現象かもしれない」とコメントし、トゥトベリーゼ氏は「オーサー氏からの私への何かしらの挑戦的なものでしょうか」と反応したことがロシアメディアに報道されていた。

 そうした背景もあり、チャイコフスカヤ氏にとっても成長を願っているメドベージェワがオーサー氏の元へ移籍することは心中穏やかではない部分もあったようだ。

 メドベージェワに続き、16年のジュニアグランプリ(GP)ファイナルの覇者、16歳のポリーナ・ツルスカヤ(ロシア)もトゥトベリーゼ氏と関係解消することを表明。シーズンオフによもやの形でロシアの名指導者が脚光を浴びてしまっているが、選手、トゥトベリーゼ氏ともに未来がある。決断したそれぞれの道で、さらに輝いてくれることを願いたい。(THE ANSWER編集部)