人材サービスのパーソルキャリア(東京・千代田、峯尾太郎社長)がまとめた「DODA 転職求人倍率レポート」によると、11月の転職求人数は前年同月比16.6%増、転職希望者数は同22.9%増となった。求人数は調査開始(2008年1月)以来の最高値を2カ月連続で更新した。

 求人数は前月比0.4%増、前年同月比16.6%増、転職希望者数は前月比8.0%減、前年同月比22.9%増だった。求人倍率は前月比0.21ポイント増の2.46倍となった。

 業種別にみると、求人数は9業種(その他を含む)のうち「メーカー」「商社・流通」「サービス」の3業種で増加した。特に伸びたのは、「サービス」(前月比3.2%増)、「メーカー」(同2.2%増)。

 「サービス」では、人材サービスやコンサルティングファーム、不動産で求人数が増加した。これらの業種では、人員数に比例して売り上げや利益が増加する傾向にあるため、上期の業績を受けて営業職やコンサルタントなどを中心に、採用人数を追加した企業があったと考えられる。

 「メーカー」では、新型自動車の開発や工場の設備投資の需要を受けて、特に電気・機械系のメーカーで採用が活発だ。

【業種別 求人数増加率(前月比)】
サービス  3.2%増
メーカー  2.2%増
商社・流通 0.4%増
金融    1.1%減
メディカル 1.4%減
小売・外食 2.0%減
IT・通信  2.4%減
その他   2.7%減
メディア  4.4%減

 職種別では、求人数は11職種のうち「技術系(IT・通信)」、「技術系(電気・機械)」、「技術系(化学・食品)」、「技術系(建築・土木)」、「事務・アシスタント系」の5職種で増加した。

 特に伸びたのは「技術系(電気・機械)」(前月比4.2%増)、「技術系(建築・土木)」(同3.2%増)だった。

【職種別 求人数増加率(前月比)】
技術系(電気・機械)4.2%増
技術系(建築・土木)3.2%増
技術系(化学・食品)3.1%増
技術系(IT・通信) 1.3%増
事務・アシスタント系0.7%増
専門職       0.3%減
技術系(メディカル)0.8%減
クリエイティブ系  1.5%減
営業系       1.9%減
販売・サービス系  2.0%減
企画・管理系    2.1%減

 2017年11月の転職マーケットについてパーソルキャリアでは、「11月は、上期の業績が好調だった企業を中心に新たな募集開始があったため、求人数は増加した。転職希望者数は例年、年末にかけて落ち着く傾向にあり、今年も同様の動きとなった」と指摘した。

 また、12月の状況について「12月は年末の繁忙期と重なるため、年明けから転職活動を本格化させる人が多く、転職希望者が例月よりも減少する。一方、企業は採用が難しい市況が続いているため、年末まで積極的に採用活動を行うことが想定される」としており、転職求人倍率が高くなると予想している。