眠いなんて言ってられない(写真はイメージ)

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【ねほりんぱほりん】(Eテレ)2017年11月8日放送
ネトゲ廃人」登場!1日20時間以上、衝撃の実態を掘れ!


インターネットゲームに没頭し、睡眠時間を削ってプレーを続ける人たち。30代半ばのタイチさんは、1日20時間もパソコン画面に向かう、自他ともに認める「ネトゲ廃人」だ。

この年齢なら、仕事に励み、家庭を持っていてなんら不思議はない。代わりにタイチさんは、今日もひとりゲームの世界で延々と「モンスター狩り」に精を出す。

自分とキャラが一体化したような錯覚に陥る

ゲーム歴25年以上のタイチさんの生活は、常識はずれだ。ロールプレイングゲームで、ひたすらモンスターを倒し続ける。1日20時間はゲームで、残りが睡眠。1年中この生活だから当然、定職には就いていない。

期間限定の企画として開かれる「イベント」の期間は、「2週間ほぼ寝ない」ことも。その際は、ゲームキャラを操作して画面上で相手と戦っているわずかな時間に目を閉じて「眠る」。これを繰り返すことで「寝たことになっている」そうだ。

だが、極度の睡眠不足で「おかしくなる」とタイチさん。キーボードを押していないのにキャラクターが動いた気になり、自分とキャラが一体となった錯覚に陥る。部屋からトイレに行こうとして角を曲がる瞬間、「この先に敵がいたらどうしよう」と不安になる、などだ。

夜中に、本当につらくなるときは音楽を大音量にして、大声で歌う。近所迷惑にならないようにと、水田に囲まれた場所に住まいを構えているのは、そのためだ。

MCでタレントのYOUさんとお笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太さんが思わず「極限状態」と口にした。

トイレにもどれだけ早く駆け込み、用を足せるかが「勝負」。0.1秒を競う日々。この情熱はすべて「ネトゲ」に向けられる。1日6時間程度のプレー時間で「廃人」を名乗るなとタイチさん。むしろ「ネトゲ廃人」にプライドを持っているのだ。

ゲーム自体は「全然楽しくない。苦痛」

タイチさんをここまでゲームに駆り立てる要素は、「競争」だ。実はゲーム自体は「全然楽しくない。苦痛」と言い切る。ただし、ランキングの変動を見るのは楽しい。全国何百万人のプレーヤーの中で1位をとり、それを死守する。「ゲームは時間を費やしただけ強くなる」というのが哲学だ。

子どものころは勉強も運動もよくできた優等生。ところが田舎で競争相手がいなかったのがゲームにのめり込むきっかけとなった。「世の中には凄いヤツがいっぱいいる」と知ったのが、ネトゲの世界だったのだ。17〜18歳でほぼ今のような生活を始めた。

山里「ゲームの中のレベルは上がっているけど、実生活で自分は今何も手にしていないって思ったりしない?」

「確かに何も残らない」とタイチさん。でも、残らなくても自分の人生を楽しく生きるためにゲームをやっていると満足げだ。

YOU「私なんか、何億(円分の)酒飲んでるか(爆笑)」

ゲームの傍ら、動画サイト「ユーチューブ」にゲームのプレー動画を公開したり、「攻略サイト」を運営したりして稼ぐ広告費が、収入源だ。ただ、将来の不安はある。ひとり暮らしで、病気の時に看病してくれる人がおらず、むなしくなった。今後、体力が落ちていくなかで、今と同じ生活が続けられる保証はない。

それでも最後は、「廃人生活をどれだけ続けていけるかが僕の人生」と言い切っていた。