埼玉県春日部市にある春日部共栄高校。野球部は全国でも屈指の強豪校で、中村 勝(日本ハムファイターズ)などプロ野球選手も輩出。今春の埼玉大会ではベスト4入りを果たし、2014年夏以来の甲子園出場に期待がかかる。今回は部員134名を支える14名のマネージャーの活動に迫ります!

即座の行動と対応力で選手を支える

 春日部共栄134名の部員を支えるのは1年生5名、2年生3名、3年生6名、計14名のマネージャー。全国的にみてもマネージャーの数が多い。試合のときはスコアの記入・アナウンス、普段はジャグの準備やおにぎりづくり、掃除や接待までをこなす。

 特に春日部共栄マネージャ―というと「おにぎり」を思い出す高校野球ファンも多いのではないだろうか。春日部共栄のマネージャーたちは平日は7合を6釜、休日は7合を8釜分のおにぎりをつくり、選手たちに提供している。

 春日部共栄のマネージャーたちは「即座の行動と対応力」はどこの高校にも負けないと語る。「選手が練習だけに集中できるように、いわれる前に気づき行動することを心掛けています。」と3年生の下大沢 萌木さん。このような心がけからか「マネージャ―!」と呼ぶ声がついつい呼ばれていないのに聞こえてしまうんだとか!ちなみに下大沢さんは中村 勝投手と同期だった左腕投手・下大沢京佑さん(東京情報大卒)の妹だ。

 下大沢さんが活動の中でいちばん楽しい時間は選手の活躍した場面を近くで見れるスコアラーとしてベンチに入る時間。特に思い出に残っている試合は春季埼玉大会準々決勝の叡明との一戦。勝てば10年ぶりベスト4入りが決まる試合で最後は1点差に詰め寄られたものの、最後まで力強く戦う選手の姿に涙したという。

 春日部共栄マネージャー14名も134名の部員たちと共に戦っている。選手たちはマネージャーたちの存在について「練習からサポートをしてくれる大切な存在です」と話してくれた。

 そしてマネージャ―から選手たちへ一言!

「皆の頑張る姿にいつも元気と頑張る力をもらっています。いつもありがとう!」

村山舞花さん、大島瑠音さん(下段左から)、内田実花さん、下大澤萌木さん(上段左から)

人のために一生懸命になれる素敵な役割

 3年生の桑原 柚奈さんがマネージャーになったきっかけは「甲子園に行きたいという夢を叶えるため。人のために一生懸命になれる素敵な役割だと思ったから。」桑原さんは2つ上の兄が春日部共栄の野球部に所属しており、半年間お兄さんと同じグラウンドで部活を一緒にできたことは誇りであるという。

 桑原さんは指導者の方と選手が求めていることを言われる前に気づいて動けるマネージャ―を目指している。マネージャーの活動を通して「視野が広くなり、相手が何をしてほしいのか考えるようになりました。また挨拶や言葉遣いなど当たり前のことを当たり前にできるようになりました。」と自身の成長を教えてくれた。

 選手に頼ってもらえた時や誰かの役に立っていると実感できた時はとても嬉しいという桑原さん。以前監督さんに「マネージャ―も部員の一員であり、仲間だ!」と言ってもらったことが心に残っているという。

 時には仕事が上手くいかなくて、チームに迷惑をかけてしまっているのではないかと挫折しそうになる。しかし桑原さんは選手同様に甲子園に行く夢を叶えるため、日々献身的なサポートを続ける。夏の大会まで残りわずか。春日部共栄野球部の甲子園を目指す戦いは14名のマネージャーと共に歩んでゆく。

 春日部共栄野球部マネージャーに聞きました!

おすすめマネージャ―グッズを教えてください!

 麦茶をつくるときに使うおたまです!

選手に胸キュンする瞬間は?

 ジャグを足すときにジャグのふたをあけてくれるときです!

 春日部共栄高等学校野球部の皆さん、ありがとうございました!