話は技術的な部分で取り組んでいることへ(撮影:福田文平)

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はた目から見れば、苦境にいると言っていい。今季公傷制度を利用してシード確保を目指す石川遼は保障された20試合をあと“4”まで減らしながら、直近7試合で6度の予選落ちを喫するなどシード確保は崖っぷちに追い込まれている。
FedExカップポイントではシード獲得ラインまで262pt(現在137pt)と残す試合で上位フィニッシュが求められる状況。仮に4試合を終えて今年のシード確保に失敗しても出場権が回ってくる試合はあるが、2017-18シーズンのシード権へ向けても逆風の中にいることは間違いない。結果の出ない今、どんな思いで過酷なツアーを戦っているのか。オープンウィークで調整を続けている石川を尋ねた。ALBA独占インタビューの第2回目(全3回)。
石川遼の今季ベストショット!バックスピンでスーパーイーグル
第1回は公傷制度による出場資格がギリギリに迫りながら結果を残せていない現状を聞いた。話は今取り組んでいること、考えていることに及んでいく。
―― 取り組んでいる内容。具体的には。
例えば、ゴミ箱にゴミ捨てるときにここから入るかなとか、チャレンジしたりするじゃないですか。その時に、ここからなら確実に入ると思って、実際に入れられる距離ってあって、ああいうのが広がっていきそうな感覚。ゴミ箱がちょっとずつ遠くなってもコントロールできる感覚というか、そういうのが今はあるんです。
それがない時って本当に近くまでいかないと入らないけど、こっからこういう風に投げれば入ると思っている時ってよどみなくできる。ゴルフも打つボールイメージするけど、それを信じて疑わない状態でないと、その球って打てないんです。それが、打てない状態が続いたのが最近。長かったし、本当にこれだったらできるということの幅が狭くなり、レベルが落ちたという感じですね。
それが1年。悪かった時は…、最近も良くないけど、その中でできそうという感覚になってきている。両サイドOBあっても“できそうだな”というところまで来てる。良くない時はイメージができなかった。ここに打てるのかなと、どういう球とか…。ドライバーで打ちたいけど、ドライバーでそこに打つイメージができない。じゃあ、何番アイアンならイメージできる?スプーンなら?とか考えて…。
―― 今はそれができる?
今はイメージできる。できそうだなって思いながら打てるという感じですね。イメージはできて、それで打てない時があるというのが今。ミスになってボギーとかダボ打ったりしますけど、最初からできないと思ってあきらめてやらないでパーで行くよりも、できそうだなって思ってる感覚持ってる方が全然楽しい。
最初から“俺にはできない”と思ってドライバー打たない。スプーンも打てないわ…じゃあアイアンで刻んでみんなより遠いところから打って、何とかグリーン乗せてパーでした。それを続けて予選通ったとしても…。今の、ドライバーを打つイメージしてワクワクしながら打ったものがミスになった。池に入りました、ダボですってなって予選落ちのほうが僕としては光はあるんです。
―― 結果につながらなくても…?
もちろん、イチかバチかでトライしての失敗は何も生まれないと思う。でも、自分でできると信じてイメージして、ちゃんとできそうと思って打ってミスしたときってすぐ原因がわかるんです。もどかしさはあるけど、打つ前の“こうやって打ってやる”とか、“こういう風に打ったらこういう風にいく”というワクワク感が今あるから。その光ですかね。その光って楽しさだと思う。その光がないときはスコアがよくても絶対楽しくないですね。
「周りから見ると苦しい状況かも―」 第3回に続く
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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