森重正人(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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28日のタイ戦は4-0で勝ったものの、森重真人の表情は冴えなかった。試合前にはタイ戦の難しさを「フリーにやらせるとパスを繋いでくるし、カウンターも鋭いものがある」と十分に認識していたにもかかわらず、何度も決定機を招いてしまったのだ。

試合後、森重は「全然よくなかった」と話し始めた。「自分たちのミスがたくさんありましたし、自分たちで自分たちを苦しめました。4-0で勝ってますけど、気持ちよく追われたという印象はまったくありません」。苦渋の表情が続く。

日本チームは自ら足をもつれさせるという試合展開だった。パスがカットされて相手に攻め込まれ、UAE戦よりも多くピンチが生まれてしまった。なぜ、これほどミスパスがあったのか。この2試合とも負傷者で新しいボランチコンビを試さなければならず、コンビネーションに狂いが生じ、そのためCBは中盤とのパス交換が難しかったのではないか。

「UAE戦も今日もそうですけど、ビルドアップに関しては多少ストレスがありました。もっとボールを動かしながら前の選手を探して、いいタイミングで入れたかったですが……。自分が持ち上がって味方選手を探すという時間が多かったと思います。2人のボランチも悪くなかったので、距離感だったりチームの意識だったり、そういう部分だと思います」

距離感に関して言えば、チームの縦のバランスが悪かったと言えるだろう。後半になると、CBからはFWに対してのパスばかりになった。そのため相手にカットされやすくなり、逆襲を受ける原因にもなった。だがヴァイッド・ハリルホジッチ監督が縦に速いサッカーを目指す以上、チームが縦に伸びてしまうリスクを抱えているのではないだろうか。

「CBからのパスが(ラストパスを)狙わないといけなくなっていて、どうしても距離が長いと思います。いいときは遊びのパスを入れながら味方を探して縦に入れるというリズムになるのですが、UAE戦も今日も上手くいきませんでした」

ではこの2試合で出た課題をどう解決すればいいのか。森重の答えは明確だった。

「自分たちのボールを持ったときの組み立ての精度、スピードをもっと改善しなければいけないと思います。距離感だったり、ポジショニングだったりがスムーズにいっていないと思うので、自分たちがボールを保持しているときの動かし方だったりスピードがまだまだだと思っています」

次の試合は6月7日の親善試合、シリア戦。その翌週には3次予選の難関、アウェイのイラク戦が控えている。浮上してきた日本のビルドアップの課題を解決するまでの時間は短い。

【日本蹴球合同会社/森雅史】

▼ 森重真人

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 森重真人

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 岡崎慎司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 岡崎慎司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 岡崎慎司、原口元気

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 吉田麻也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 吉田麻也、岡崎慎司、香川真司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 久保裕也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 久保裕也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 久保裕也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 宇佐美貴史

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 本田圭佑

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ ヴァイッド・ハリルホジッチ監督

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ タイ戦の先発イレブン

(撮影:岸本勉/PICSPORT)