金正男氏と見られる男性の死亡に関するマレーシア警察当局の発表文

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北朝鮮の故金正日総書記の長男で、金正恩党委員長の異母兄に当たる金正男(キム・ジョンナム)氏が、マレーシアのクアラルンプール国際空港で殺害されたことを、マレーシアの警察当局が公式に確認した。

マレーシアの英字紙・スターは警察関係者の話として、金正男氏の殺害の状況を伝えている。

金正男氏は、クアラルンプールのKLIA2(LCCターミナル)でマカオ行きのフライトを待っていた。搭乗しようとしていたのは午前10時50分発のエアアジアAK8320便と思われる。これは、クアラルンプールとマカオを結ぶ唯一の路線だ。彼は案内デスクの職員に「後ろから顔を掴まれて、顔面に液体をかけられた」と体調不良を訴えた。

金正男氏は、空港内のクリニックに連れて行かれたが、意識が朦朧とし、頭痛を訴えていた。軽い発作を起こしたため、ストレッチャーに乗せられて、プトラジャヤ病院に搬送されたが、その途中で死亡した。

マレーシア警察当局は、次のとおり発表している。


金正男氏と見られる男性の死亡に関するマレーシア警察の発表文


マレーシア王立警察は、クアラルンプール国際空港(KLIA2)の顧客サービスカウンターに救護を求めた46歳の北朝鮮人男性が2017年2月13日、病院への搬送中に死亡したことを確認する。死者の身元は彼の旅券から、次のように確認された。

氏名 :キム・チョル(KIM CHOL)
旅券番号:836410070
生年月日/誕生地:1970年6月10日/平壌

捜査が進行中であり、死因を特定するための解剖を要請した。

一方、マレーシアの警察当局の発表文には光華日報は警察関係者の話として、金正男氏は女に液体のかかった布を顔にかけられたため、大声で助けを求めたと伝えている。

警察当局はまた、北朝鮮大使館から遺体の引き渡しを要求されていることを明らかにしたが、解剖を行うことが先決だとして、要求を断った模様だ。

金正男氏の暗殺事件で注目が集まっているのは、長男のキム・ハンソル氏だ。

ボスニア・ヘルツェゴビナのインターナショナル・スクールを経て、2013年には超難関として知られるパリ政治学院に入学し、留学生活を送っていた。

金正男氏と正恩氏の叔父・張成沢氏が、正恩氏によって処刑されて以降はフランス警察の警護を受けながら学校に通っていたが、昨年卒業した。しかし、就職が叶わず、フランス国外の第三国に留まっていると伝えられている。

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