ブレイク間近! 横浜流星インタビュー 「人気が高まるのはうれしいけど、実力を伴ってこそ」
昨今「人見知り」を自認する若手俳優は多いが、横浜流星は「だった」と過去形で語る。「口では『人見知りなので…』なんて言ってたけど(笑)、意識して人と関わるなかで、だいぶ変わりましたね」。弱冠二十歳にして、早くもこれが3作目の主演舞台。他人の背中に隠れていることが許されるような道を歩んできてはいない。今回の舞台『BIOHAZARD THE Experience』では、劇中でもリーダーとして皆を引っ張る立場を演じている。近年、舞台のみならず、ドラマに映画と次々と話題作に出演し、もはや“ブレイク前夜”! 有無を言わさず、より多くの人々の視線にさらされる時が近づいている。
撮影/祭貴義道 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.
――『バイオハザード』と言えば、世界的な人気を誇るゲームシリーズであり、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の映画シリーズも有名です。“アンデッド”と言われるウイルス感染者(ゾンビ)と人間の戦い、その裏にある陰謀が物語の大きな軸となっています。
僕、もともとゲームは全然やらないんですけど、そんな僕でも知っているくらい有名なゲームソフトですからね。出演が決まったときはうれしかったです。まずは、自分でゲームをプレイしてみて、それから映画も見て「なるほど、これは人気が出るわけだ」と。
――具体的に、どんな部分が人気の秘密だと思いましたか?
もちろん、ゾンビの怖さはあるんですけど、それだけでなくて人間ドラマがあり、ガンアクションもカッコいいんですよね。そうやってシリーズが重ねられていったのかと納得しました。
――今回の舞台版は、日本を舞台にした完全オリジナルストーリーですね。突然連れ去られ、どこかもわからない場所で目を覚ました13人の男女が、周囲にいるゾンビたちの脅威にさらされながら、決死の脱出を図ります。舞台ならではの魅力は?
「五感を刺激する超体感型ステージ」と謳っているんですけど、まさに! お客さんが舞台上の出来事として見るだけでなく、心臓にドクン! と響くような音や風、匂いまで感じられるのは、映像作品にも他の舞台にもない魅力だと思います。ゾンビが客席にも来たり…(笑)、ショーとして楽しんでいただけると思います。
――そうしたホラー&アクション要素に加えて、先ほどおっしゃっていた『バイオハザード』シリーズが持つ人間ドラマの魅力が、この舞台にも?
人間の本性がむき出しになる瞬間が見られます。人間の嫌な部分が次々と出てくる。僕自身、もちろんここまでの極限状態に置かれたことはないですが、もしこうした状況に陥ったら、自分はどんな行動をとるのか? 考えずにいられないです。
――13人もの登場人物がいると…。
全員、考え方も性格もバラバラ。だからこそ、物語を追いかけながら共感、感情移入できる人物が見つかると思います。その本性が露わになる瞬間を楽しんでほしいし、僕らも演じていてものすごく楽しいです。
――横浜さんが演じるのは医師のカラサワですね。
責任感と正義感の強いまっすぐな部分は共感できるし、覚悟を決めて行動するところが素敵な男だと思います。
――『バイオハザード』ファンならおなじみの設定ですが、ゾンビに噛まれると感染し、自らもゾンビになってしまうというのが、恐ろしい部分です。カラサワはリーダー的存在として、みんなを引っ張りますが、難しい決断を迫られる場面も…。
自分に嘘がつけない、正直に生きる男なんですが、覚悟を決めて決断しなくちゃいけない部分もあり…。物語を通じて彼自身、成長していくのでそこもぜひ見ていただきたいです。
――共演には篠田麻里子さん、IZAMさん、東 幹久さんなど個性的かつ年齢層もバラバラの面々が顔を揃えています。稽古場のムードはいかがですか?
すごくいい距離感でみなさんと一緒にいられているなと思います。同年代ばかりの現場だと、つい仲良くなりすぎて、一歩間違えるとなれ合いになりかねないこともあるんですけど、今回はバランスがよくて、いい雰囲気で稽古ができています。
――横浜さんにとっても「はじめまして」の方も多かったでしょうが、そもそも、物語が「ここはどこ?」「君は誰?」という状況から始まるので…。
そうなんです。うまく物語の設定とも重なって、よかったと思います。冒頭の13人の距離感――挙動不審な感じがすごく面白くて、台本を読みながら笑っちゃったんですが、それをリアルに緊張感を持って表現できたらいいなと思ってます。
――横浜さん自身、“座長”としてどのようにリーダーシップをとり、共演陣を引っ張っているんですか?
僕は、自分から言葉で何かを言うのではなく、まずは自分自身が頑張って、その姿をみんなに見てもらって「この人になら付いて行こう」と思ってもらえるようにと考えています。僕は完璧でもなければ、グイグイと強気でみんなを引っ張るタイプでもないので…。
――言葉ではなく背中で語るリーダーですね。ご自身の性格もあるのでしょうが、10代の若さで舞台で主演を張り、年上の共演陣のみなさんと一緒に作品を作っていった経験がそういうスタイルに影響しているのかもしれませんね?
すごく大きいと思いますね。実際、同年代ばかりの現場なら、口に出して引っ張る部分がもっとあると思います。ただ、これまで先輩方に囲まれて仕事をすることが多く、その中で「まず、この人たちに認めてもらえるように頑張ろう」って考えていましたし、実際、そこで周りのみなさんに支えていただいているのを強く感じていましたので。
――ではもし、横浜さんがこの舞台と同じように、見知らぬ人たちとともに、周りはゾンビだらけの状況に放り込まれたら…?
まずは周りのみなさんの人柄を見たいですね。果たして、この人たちとうまくやっていけるのか…? 脱出を目指すことになるんでしょうが、この作品同様に、場の連帯を乱す人もいるでしょうし(笑)。そのときは真っ向から向き合いたいし、できることならひとりも犠牲を出さずに脱出したいですね。
――じっくりと周りの人間を観察するのは、ピンチのときに限らない横浜さんの普段からの性格なのでしょうか?
そうですね。まずは様子を見ますね(笑)。だから、決してこちらはそんな気はないんだけど、「カッコつけてる」とか「話しづらい」とか「嫌な空気を出してる」とか思われがちで…(苦笑)。
――案外、そういうタイプの人間は、一度打ち解けると、心を許して本当に仲良くなれる人が多そうですが…。
そうそう! まさにそのタイプです!(笑) 一度、仲良くなった人とはすごく深い関係を築けるんですけど、そこに行くまでの距離感をどう縮めていくのかが、難しいところなんですよね(苦笑)。
撮影/祭貴義道 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.
音、風、匂いも…五感を刺激する超体感型ステージ
――『バイオハザード』と言えば、世界的な人気を誇るゲームシリーズであり、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の映画シリーズも有名です。“アンデッド”と言われるウイルス感染者(ゾンビ)と人間の戦い、その裏にある陰謀が物語の大きな軸となっています。
僕、もともとゲームは全然やらないんですけど、そんな僕でも知っているくらい有名なゲームソフトですからね。出演が決まったときはうれしかったです。まずは、自分でゲームをプレイしてみて、それから映画も見て「なるほど、これは人気が出るわけだ」と。
――具体的に、どんな部分が人気の秘密だと思いましたか?
もちろん、ゾンビの怖さはあるんですけど、それだけでなくて人間ドラマがあり、ガンアクションもカッコいいんですよね。そうやってシリーズが重ねられていったのかと納得しました。
――今回の舞台版は、日本を舞台にした完全オリジナルストーリーですね。突然連れ去られ、どこかもわからない場所で目を覚ました13人の男女が、周囲にいるゾンビたちの脅威にさらされながら、決死の脱出を図ります。舞台ならではの魅力は?
「五感を刺激する超体感型ステージ」と謳っているんですけど、まさに! お客さんが舞台上の出来事として見るだけでなく、心臓にドクン! と響くような音や風、匂いまで感じられるのは、映像作品にも他の舞台にもない魅力だと思います。ゾンビが客席にも来たり…(笑)、ショーとして楽しんでいただけると思います。
――そうしたホラー&アクション要素に加えて、先ほどおっしゃっていた『バイオハザード』シリーズが持つ人間ドラマの魅力が、この舞台にも?
人間の本性がむき出しになる瞬間が見られます。人間の嫌な部分が次々と出てくる。僕自身、もちろんここまでの極限状態に置かれたことはないですが、もしこうした状況に陥ったら、自分はどんな行動をとるのか? 考えずにいられないです。
――13人もの登場人物がいると…。
全員、考え方も性格もバラバラ。だからこそ、物語を追いかけながら共感、感情移入できる人物が見つかると思います。その本性が露わになる瞬間を楽しんでほしいし、僕らも演じていてものすごく楽しいです。
――横浜さんが演じるのは医師のカラサワですね。
責任感と正義感の強いまっすぐな部分は共感できるし、覚悟を決めて行動するところが素敵な男だと思います。
――『バイオハザード』ファンならおなじみの設定ですが、ゾンビに噛まれると感染し、自らもゾンビになってしまうというのが、恐ろしい部分です。カラサワはリーダー的存在として、みんなを引っ張りますが、難しい決断を迫られる場面も…。
自分に嘘がつけない、正直に生きる男なんですが、覚悟を決めて決断しなくちゃいけない部分もあり…。物語を通じて彼自身、成長していくのでそこもぜひ見ていただきたいです。
――共演には篠田麻里子さん、IZAMさん、東 幹久さんなど個性的かつ年齢層もバラバラの面々が顔を揃えています。稽古場のムードはいかがですか?
すごくいい距離感でみなさんと一緒にいられているなと思います。同年代ばかりの現場だと、つい仲良くなりすぎて、一歩間違えるとなれ合いになりかねないこともあるんですけど、今回はバランスがよくて、いい雰囲気で稽古ができています。
――横浜さんにとっても「はじめまして」の方も多かったでしょうが、そもそも、物語が「ここはどこ?」「君は誰?」という状況から始まるので…。
そうなんです。うまく物語の設定とも重なって、よかったと思います。冒頭の13人の距離感――挙動不審な感じがすごく面白くて、台本を読みながら笑っちゃったんですが、それをリアルに緊張感を持って表現できたらいいなと思ってます。
二十歳の若き座長は、言葉ではなく“背中”で語る
――横浜さん自身、“座長”としてどのようにリーダーシップをとり、共演陣を引っ張っているんですか?
僕は、自分から言葉で何かを言うのではなく、まずは自分自身が頑張って、その姿をみんなに見てもらって「この人になら付いて行こう」と思ってもらえるようにと考えています。僕は完璧でもなければ、グイグイと強気でみんなを引っ張るタイプでもないので…。
――言葉ではなく背中で語るリーダーですね。ご自身の性格もあるのでしょうが、10代の若さで舞台で主演を張り、年上の共演陣のみなさんと一緒に作品を作っていった経験がそういうスタイルに影響しているのかもしれませんね?
すごく大きいと思いますね。実際、同年代ばかりの現場なら、口に出して引っ張る部分がもっとあると思います。ただ、これまで先輩方に囲まれて仕事をすることが多く、その中で「まず、この人たちに認めてもらえるように頑張ろう」って考えていましたし、実際、そこで周りのみなさんに支えていただいているのを強く感じていましたので。
――ではもし、横浜さんがこの舞台と同じように、見知らぬ人たちとともに、周りはゾンビだらけの状況に放り込まれたら…?
まずは周りのみなさんの人柄を見たいですね。果たして、この人たちとうまくやっていけるのか…? 脱出を目指すことになるんでしょうが、この作品同様に、場の連帯を乱す人もいるでしょうし(笑)。そのときは真っ向から向き合いたいし、できることならひとりも犠牲を出さずに脱出したいですね。
――じっくりと周りの人間を観察するのは、ピンチのときに限らない横浜さんの普段からの性格なのでしょうか?
そうですね。まずは様子を見ますね(笑)。だから、決してこちらはそんな気はないんだけど、「カッコつけてる」とか「話しづらい」とか「嫌な空気を出してる」とか思われがちで…(苦笑)。
――案外、そういうタイプの人間は、一度打ち解けると、心を許して本当に仲良くなれる人が多そうですが…。
そうそう! まさにそのタイプです!(笑) 一度、仲良くなった人とはすごく深い関係を築けるんですけど、そこに行くまでの距離感をどう縮めていくのかが、難しいところなんですよね(苦笑)。