またこれとは別に、新たに“人と組織の成長を創造”というビジョンにダイレクトに貢献する新規サービスの開発も積極的にやっていきたいと思っています。長期的視点に立って、投資をしっかり実行していきます。 領域で言えば、派遣事業の中核企業はテンプスタッフ、リクルーティング事業はインテリジェンスが担っていきます。

 事業の整理統合も順調に進めており、昨年2月には事務派遣事業が統合し、17年1月にはエンジニア派遣事業が統合されてパーソルテクノロジースタッフが誕生しました。事業の統合によって、それぞれの事業体の強みが明確になり、より幅広いニーズへの対応が可能になっています。 ベネッセとの合弁会社ベネッセi-キャリアや、「LINEバイト」を手掛けるLINEとの合弁会社AUBEなど、外部との事業提携も進んでいます。 これまで当社はいわゆる自前主義で、外部と提携しながら事業を進めていくことは多くありませんでした。経営として広範な知見やリソースを取り込ませていただくことで、お互いの成長や価値を高めていけるよう、企業規模や国内外企業問わず、連携に積極的に動いていこうと考えるようになっています。

 オープンな姿勢を示していくことによって、面白い提案や企画も外部からもたくさん来るようになりました。 人材業界自体も変化していなかければなりません。過去数十年積み重ねてきたビジネスモデルが、これからも正解だとは限りません。もちろん、これまでの実績は評価に値するものだと思います。しかし、場面や状況によっては業界経験が少ない企業の方が、顧客ニーズをくみ取ったサービスを提供してくるケースが出てきていると感じます。

 業界常識や過去の成功体験にとらわれずに、想像力を高めて顧客が求めているものをしっかりと追求し、それぞれ企業が何を強みとしていくのかを真剣に考え続けていかなければ顧客から選ばれなくなってしまうでしょう。 私も今の役員陣も実行・完遂することに強いこだわりを持っていて、そのことが組織全体の強いエネルギーにもなっています。一方で、それが強すぎれば、社員からすると「組織で決められたことを推進する」という状況になってしまい、組織全体の活力を落としてしまいます。 人材サービス業は、ザ・ピープルビジネスであり、社員一人一人の主体性や成長意欲が沸き立つ場づくりが重要です。例えば、会議のやり方も情報伝達の場ではなく議論する場に変えるようにし始めました。 経営陣が方針を全て決めるのではなく、意志やテーマを現場に提示した上で、現場から具体的な方策まで考えてもらって提言してもらい、それを承認していくというプロセスに変更しているところです。

 事業の肝である顧客接点を創出している社員一人一人が、事業全体を我が事と捉え変化・進化に影響を与えるようになるには時間がかかると思っていますが、長期視点で継続進化できる手応えを感じています。 私自身、社長に就いて組織俯瞰力が上がったのか、改めて当社の社員の優秀さに気づかされましたし、同時に社員の能力を十分に生かしきれていなかったことを痛感しました。社員に成長の場を与え続けるために、常に進化していかなければならないと考えています。http://www.inte.co.jp
代表者:代表取締役社長 峯尾太郎
創業:1989年
資本金:1127百万円
従業員数:5166 人(有期社員含む、2016年3月末現在)
本社:東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング27F・28F
事業内容:正社員領域・アルバイト・パート領域の求人メディアの運営、人材紹介サービス、人材派遣、アウトソーシングサービス、新卒採用支援、教育研修サービス、組織・人事コンサルティングサービス、システムインテグレーションサービスなど