CBS MarketWatchによると、28日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月物は、今週発表される予定の米週間石油在庫統計が再び注目される中、前日比4%下落し、前日比2.34ドル安の1バレル=58.20ドルと4営業日ぶりの低水準で引けた。WTI の8月物は前日、60ドル台で引けていた。

  DOE(米エネルギー省)とAPI(米国石油協会)は、6月24日までの週間米石油在庫を、それぞれ29日午前に発表する。大方のアナリストは、原油在庫が減少し、溜出油は増加するとみているが、ガソリンについては見方が分かれている。

  IFRマーケッツのティム・エバンス上級アナリストは、投資家向けのレポートの中で、今回の大幅反落したことについて、「毎週、DOEの週間石油在庫発表前は下落するのでその流れなのか、それもとも上昇傾向が続いて、相場の大掛かりな調整の始まりなのか、あるいは下降傾向へのスタートなのか、まだ分からない」と述べている。また、ナショナル・フューチャーズ・アドバイザリー・サービシィズのジョン・パーソンズ社長は、石油価格の下落が、「強気の市場を健全な方向に戻すもの」としたが、同時に今回の反落を「価格が上昇傾向を取り戻し、62.50ドル台に向かう嵐の前の静けさ」と述べた。一方、エバンス上級アナリストは、石油在庫が1年前より65%も高いことを挙げ、上昇傾向が永遠に続くと考えるのは賢明ではないとしているが、それでも、十分な買い注文が継続すれば、石油価格の記録更新はまだ可能だ、としている。

  ガソリン7月限は前日比5.02セント安の1ガロン=1.6248ドル、暖房油7月限は同5.57セント安の1ガロン=1.6204ドルと、ともに反落した。【了】