[Jステーション-広島ホームテレビ]2016年11月15日放送の広島HOMEテレビ「Jステーション」で12日に公開されたアニメ映画『この世界の片隅に』が紹介されました。

6年の歳月をかけて作られた映画がついに公開

アニメ映画「この世界の片隅に」は広島市出身のこうの史代さん原作で、6年の歳月をかけてついに完成、11月12日より全国公開されました。


公式サイト

昭和19年、呉に嫁いだすずの目線で描かれる物語は、戦時の苦難にも前向きに過ごす日々が描かれています。

片渕監督は映画と同じ時代に生きる人たちから話を聞き、特に現在の平和公園にあった旧中島本町は当時のままの姿を再現しているそうです。

映画製作がくれたよみがえる思い出

旧中島本町で生まれ育ち、原爆で両親、兄と姉を亡くした濱井徳三さん。

劇中すずが中島本町にお使いに訪れるシーンで、濱井さんの家族とその実家の理容院が描かれました。

濱井さんは家族がいつか帰ってくることを信じ、この70年間待ち続けていたそうです。

映画で描かれたことについて、「懐かしいしうれしいし、70年前に引き戻してもろた感じよね」と語っていた濱井さんは、去年やっと家族の墓を建てたそうです。

また呉で生まれ育った岡本悦子さんは、映画好きの息子克也さんが映画製作を応援している中SNSを通じて監督と知り合い、その縁で映画製作に関わりました。

劇中何度も出てくるすずが呉港を見下ろすシーンも、岡本さんにとってはなじみ深い場所です。

「自分が生きた場所が話題になってると思ったら、それだけでわくわくします」と語る岡本さんは、4歳で原爆を目の当たりにし、父親も戦争で亡くなりました。

あの場所で生きた人の記憶にしかなかった町を再現した「この世界の片隅に」。そこで描かれるすずの生き様は変わらない日常をおくれることの尊さを観る人に教えてくれます。

ぜひ大切な人と一緒に観に行きたいですね。(ライター:石田こよみ)