東京・立川のシネマシティで『ガールズ&パンツァー 劇場版』(以下ガルパン)の上映が2016年11月25日、ついに幕を閉じた。2015年11月21日の公開日からずっと上映を続けてきた唯一の映画館であり、ファンからは感謝と悲嘆の声が上がっている。

シネマシティ(Dick Thomas Johnsonさん撮影、Flickrより)

ガルパンは同館の連続上映最長記録である『タイタニック』の316日を破り、371日の超ロングラン上映を続けた。その人気の秘訣は、シネマシティが音にこだわった「極上爆音上映」だろう。

「#ありがとうシネマシティ」

極上爆音上映は音響家によって綿密な調整を施しており、「映画を映画館で観る意味」を感じさせる。ガルパンでは音響監督を務める岩浪さんを筆頭に、同作の音響チームが直々に調整を手掛けた。激しい戦車戦に合わせ大音量で上映し、砲撃を衝撃、激走を震動として「体感」することができる。ただ音が大きいだけでなく、やかましくないクリアな台詞と音楽を両立させた。

そんなシネマシティはガルパン観賞の「聖地」と化し、休日・平日問わず満席が続くほど人気を博した。リピーターも多く、なかには劇場で100回以上観たという強者も。

地方からもファンが集まり、交通情報の共有が行われていた。

1年にわたって上映されてきたガルパンの終了を受け、ツイッターにはファンたちの「ついにこの日が...」と別れを惜しむつぶやきが多数寄せられている。

一部で観客増員すれば終了が免れるとの噂もあったが、残念ながらその願いは叶わなかった。

同時に、異例のロングランを実施したシネマシティへの感謝の声も溢れている。「#ありがとうシネマシティ」というハッシュタグも登場した。

通常の上映は25日までだが、終幕を飾る26日には1周年を記念した公式イベントが開催され、主人公・西住みほを演じた渕上舞さんと杉山潔プロデューサーを迎えた舞台挨拶が行われる。

「中の人」が振り返るガルパン史

11月20日にはシネマシティのツイッターの「中の人」が、1周年を記念してガルパン史を振り返った。

なんとも壮大なストーリー。

ちなみにシネマシティでは、11月26日からアニメ映画『劇場版 艦これ』の極上爆音上映が予定されており、これまた多くの来場者が予想される。