全国の複数の自治体宛てに送信された爆破予告のメッセージにより、2016年11月22日、各地でその対応が行われた。河北新報によると、予告は全国34の市役所に送られており、それ以外にも空港宛てのものもあったという。

近年多発する虚偽の爆破予告であるが、警察、自治体共に対処せざるを得ない。一体どのような人物が行っているのだろうか?

実在の弁護士を騙る爆破メール

画像はイメージ(Iwan Gabovitchさん撮影。flickrより)

犯人像のヒントは、21日の産経WEST(WEB版)に記載されていた。記事によると、メールには「送り主の情報には東京都港区に事務所を持つ弁護士の名前や電話番号」が記されていたという。近年多発する爆破予告と同様に「恒心教徒」と呼ばれる人々によるものだと思われる。

「恒心教」は、2ちゃんねるの掲示板の1つ「なんでも実況ジュピター」(通称なんJ)に端を発する。

掲示板内のトラブルで個人情報を明かされ、攻撃を受けていた男子高校生が、事態を収拾するために弁護士に依頼。しかし、攻撃は弁護士にも向かう形で悪化し、弁護士への殺害予告が繰り返されるようになった。

徐々に行為はエスカレートし、2016年3月には、全国への市役所への爆破予告を繰り返した男性が逮捕されている。

先に逮捕された男性は「3時34分」という特徴的な時間を共通して使用していたが、今回送られたメールで指定されていた時間は「10時30分」と異なっている。しかし、大量にメールを送信し、実在の弁護士名を名乗っていたという類似性から、こちらの犯人も恒心教徒、もしくは模倣犯と見られる。

爆破の対象は役所、学校、公共施設と幅広いが、特に市役所が狙われている。その性質上、対応を取ったことを外部にも広く伝えなくてはならないため、予告に対してのリアクションが分かりやすいためだろうか。