武田 真優子 / つむぎペットケア

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■「最近やせてきたみたい…」

この飼い主さんのうちの子は、最近寝たきりになってしまいました。もともと痩せ気味ではありましたが、最近さらにやせてきているようです。

寝たきりになると、体全体の筋肉量が落ちてしまうので、やせてしまう傾向はありますが、ほかにも原因はあるのでしょうか。


■食事は必要量取れていますか?

介護状態になったほとんどの犬に、体重の減少がみられます。自発的に食べていても、実際には必要量がとれておらず、やせてしまうことがあるのです。

飼主さんに、うちの子に必要な食事量を把握していただくことが、とても大事です。


■食べられない原因は、なにがあるの?

「食にワガママになる」ということはありえますが、その前に考えられることがあります。


▶歯が痛い

想像してみてください。

あなたは歯が痛いとき、いつものように食べることができますか?食欲がなくなりませんか?

ペットにも同じことが起こります。食べたくても食べられない、状態になることがあります。

口に触ろうとして嫌がるときは、歯茎の腫れや歯石の状態などをチェックしてください。


▶脊椎の変形やヘルニアがある

イヌは、床に置かれたお皿から食事を取ります。その際、頭を低くしなくてはなりませんが、首の痛みで頭を下げられず、首を思うように動かせなくなっている場合があります。

これらは原因として考えられることのうちの一例です。あなたのうちの子の原因に合わせた改善策が見つかると、食事量が増えるでしょう。


■水は飲めていますか?

高齢犬になると、飲水量が足りず、脱水傾向になっていることが、多く見られます。特に、寝たきりで自発的に水が飲めない犬の多くが脱水症状を起こしています。

脱水状態では、血液がドロドロになり、心臓や各臓器に負担がかかります。血行が悪くなることによって、床ずれも出来やすくなります。毎日の飲水量には、気をつけましょう。


■介護には絶対はない

介護方法は、解剖学、生理学上で「こうしたほうがいい」ということはありますが、絶対にこうすべきというものはありません。なぜなら、そのご家庭やうちの子をとりまく環境、うちの子の体の状態によって、変わってくるものだからです。

つまり、介護はうちの子に合わせ、試し組み合わせるものであり、この記事に書かれていることが、ぴったりと当てはまらないケースがあります。その際は、まずは、かかりつけの動物病院にご相談ください。