現役エンジニアに聞く、大切にしたい「判断基準」と「社内調整」のいま　

2016年9月15日 9時0分

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2/24(水)-3/1(火)の7日間、『イベント&コミュニティスペース dots.』にて、「dots. Conference Spring 2016」が開催された。

イベントテーマは、「〈テクノロジー × ビジネス〉で未来をつくる7日間」となっており、人工知能やヘルスケア、開発技術、Fintech、IoTなどといった分野の最前線で活躍しているスピーカーが自分の経験や現状をふまえて語りつくすといった内容だ。

今回は、第1回・第2回レポートで取り上げたテーマではなく、「チーム開発を支える技術」というテーマで語られた内容をお伝えしたい。そのなかでも、集められた会場の質問をもとにおこなった有名企業4社の現役エンジニアによるパネルディスカッションをレポートする。

現役エンジニアに聞く「社内調整」のいま

-　社内で質問しやすくなりすぎると、「困ったら何でもエンジニアに相談」といった状態になってしまうこともあると思いますが、どうやってバランスを取っていますか？

◇ランサーズ株式会社 CTO　横井聡氏

石橋：技術相談窓口というものを設置していて、エンジニアの負担が集中しないように毎日その担当を入れ替えるようにしています。基本的に、質問が届けばその日の担当が答えるという仕組みにしていますね。

横井：私のところでは、「こういうフローで質問してください」と上から仕組みを指定すると人間関係が阻害されてしまいそうなので、個人個人の信頼関係で各々やってもらっています。

松原：いまは特定の人に負荷がかかっているような気がします。質問しやすいって思われている人に集中しちゃって、その人も性格がいいので何でも答えているという雰囲気ですね。

-　組織の階層やヒエラルキーなどは作っていますか？

◇Connehito株式会社 CTO　島田達朗氏

島田：いまはエンジニア全員合わせても6人という規模感なので、特に階層などはないですね。これから人が増えていっても部門で分けるだけで、階層を作ることはないと考えています。

横井：現在エンジニア14名、デザイナー4名でやっているんですが、チームリーダーという役割ができてから変わった感じがしますね。今後については、まだ考えていないです。

ツール選定と採用における「判断基準」とは

-　社内で使うツールはどうやって選定していますか？

横井：自分の好きなツールを使いたい人もいれば社内で統一して使いたいという人もいるので、そこは考える必要があると思ってます。たとえば、タスク管理もはじめは『Redmine』を使っていたんですが、その後『Wrike』を使って、いまはGoogle Driveにまとめたりしていますからね。スプレッドシートでいいのは、エンジニア以外の人でも使いやすいところです。

島田：スプレッドシートは便利ですよね。Google Apps Scriptで連携できたりするので。Connehitoでは、エンジニアの誰か1人が使ってみて便利だったら全体で使おう、みたいな感じで選んでます。

松原：ニューズピックスでは、『JIRA』を使っています。これがベストだとは思っていませんが、いろいろ使っていくなかで決めているような感じです。

石橋：Kaizenは、高価なツールだったらみんなで決めるようにしています。この「ツールの選定」というのは、エンジニア基準でおこなうべきだと思いますね。以前は管理部門が選定していたんですが、実際にどれを使うか決めるときなどで争いが生まれたので「エンジニアが権限を持つ」ということが大事だと思います。

-　エンジニアの採用手法、採用基準はどうされていますか？

◇Kaizen Platform Inc. Co-founder & CTO　石橋利真氏

石橋：初期のころは直接会って口説いてました。相手1人に対して社員全員で行く、みたいなこともありましたね。最近では紹介会社からでも優秀な人が入ってくれたりしていますよ。

松原：自分でどんどんやっていくような人を採用したいですね。私もまだ入って半年くらいなんですけど、みんな本当に優秀だなと感じます。

島田：これまでは、ほとんど紹介での採用ですね。イケてる人の周りにはイケてる人がたくさんいるので、そのイケてる人に紹介してもらっています。採用基準については、お互いに高め合えるかどうかですね。人が入るたびにモチベーションがどんどん高くなるような組織が理想だと思っています。

-　ありがとうございました。

4社それぞれの組織のつくり方やコミュニケーションの取り方、判断基準の置き方などが聞けたパネルディスカッションだったと感じる。今後エンジニアのいない会社の方が珍しい世界になるのだろう。まさにこれからエンジニアを採用していこうと考えている方がいれば、その組織づくりに関して参考になる部分が多くあったはずだ。