ビッグデータ分析はクラウドよりも重要なのか
IT専門調査会社のIDCオーストラリアによると、ビッグデータの統合と分析が急速に企業にとっての最優先事項になりつつあり、それと引き換えにクラウドの統合もしくは移行についての熱意は薄れているとのことだ。
IDCのレポートでは、まだクラウドコンピューティングに対して重点的に投資しているオーストラリア企業に焦点をあてている。IDCオーストラリアリサーチのディレクターであるサリー・パーカー氏は次のように言う。「クラウドは基礎であり、データが鍵を握っている。」
ビッグデータとその分析の関係性はかなり密接であり、有力な分析をおこなうために、すべての集約したデータをふるいにかけ、その意味をすべて明らかにする必要がある。「データサイズよりも、拡張したデータソースから生まれる価値の大きさの方がずっと大切だ」と、パーカー氏は言う。
ビッグデータ分析をおこなうことで、生産性、収益性、歩留まり率などが向上する。これは、テラバイト規模のデータを収集し、業務において非効率的な部分についてのレポートを提供する解析ソフトウェアを介して運用することで実現される。
ビッグデータの成長を牽引するIoT
IoTは、企業に多大な影響を与えることのできる新たなテクノロジーのひとつであるにも関わらず、現時点では分析やクラウドコンピューティングの方が企業の関心を集めているようだ。
IDCオーストラリアは、「これらの新しい技術の導入は、中小企業に対して、コストを削減しながら効率と生産性で大企業を凌駕するチャンスを与えている」と主張する。この状態が続く場合、大企業はより積極的に新たな技術を採用していく必要があるだろう。
オーストラリアの企業だけがこういった新しい技術を採用しているわけではない。アメリカや中国、イギリスの企業たちもまた、オンライン上で資産を運用するためにクラウドコンピューティングを導入している。
さて、我々が過去2年間でどれだけ多くの大規模なハッキングを見てきたかを考慮すると、サイバーセキュリティが、世界中の関心を集め始めているもう一つの巨大産業であることは言うまでもない。近所の誰かがあなたの噂を流そうと嗅ぎまわっているなどというレベルではなく、海外政府をバックに付けた洗練されたハッカーたちが、個人情報を保持している安全でないサーバに狙いを定めているのだ。
ビッグデータの管理と分析、活用には、その安全性に関する問題がついてまわる。まずはベースを支えるクラウドを固めることが先決かとも思うが、双方のかみ合わせが重要になることが考慮される。企業の悩みは尽きないし、今後のセキュリティ技術へのニーズは高まる一方だろう。
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ReadWrite[日本版] 編集部
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