みなさんホラー映画と言えばどんな映画を思い浮かべますか? サスペンス? スプラッタ? それとも吸血鬼? さまざまなホラーのジャンルやモンスターを思い浮かべると思いますが、やはりホラーといえばゾンビ! 今回は怖さや奇妙さがやみつきになるおすすめのゾンビ映画を10作品ご紹介します。

■ゾンビが人間に仕える奇妙な世界「ゾンビーノ」

ゾンビ映画といえば怪しげな呪術でゾンビにされたり、ウィルスに感染してゾンビになるという傾向が強いですが、この作品の世界設定はすごいです。地球が放射能の雲に覆われその影響で死者がゾンビになり、人間とゾンビの間で戦争が起きています。しかし、ゾムコン社という会社がゾンビの人食欲求を押さえ沈静化させるという首輪を発明して人間は安全に暮らすようになりました。とはいえ、安全なのはゾムコン社の作ったフェンスで囲まれた地域だけ。安全地帯以外は危険な野生のゾンビが歩いていて、反逆者や死刑囚はそこに追放されるという処刑も存在しています。安全地帯で暮らすティミーが飼い始めたゾンビ「ファイト」はある日近所に住んでいる老婆の八つ当たりで首輪がはずれ老婆を食い殺してしまいます。それがきっかけとなりゾンビが増え始めるのですが……。 あらすじだけだととっても怖い映画だと思うかもしれませんが、実際はコメディ要素の強いゾンビ映画です。

監督:アンドリュー・カリー
脚本:アンドリュー・カリー
制作:ブレイク・コーベット、メアリー・アン・ウォーターハウス
音楽:ドン・マクドナルド
出演者:キャリー=アン・モス、ビリー・コノリー、ディラン・ベイカー、ヘンリー・ツェニー、ティム・ブレイク・ネルソン

■あの名作「ゾンビ」のパロディ映画!「ショーン・オブ・ザ・デッド」

ロンドンのとある家電量販店で働いているショーンはその無気力さと煮え切らない態度に恋人のリズからフラれてしまいます。当然、ひどく落ち込んでその日は終わってしまいます。しかし、翌朝目覚めると街中にゾンビがあふれている状況にふと気が付き、自分の母親と元恋人リズを助け出すため居候である江戸とゾンビ相手に奮闘する作品です。この作品は、ゾンビ作品の原点ともいえる「ゾンビ」のパロディ映画。主人公のショーンはゾンビの徘徊する町中を一人で歩いていても気づかれずに普通に歩いて無傷で帰宅できるというある種の特殊能力じみた運を持っています。コメディ要素だけでなくラブストーリーもあります。残念ながら日本では劇場未公開ですがDVDが出ていますのでレンタル可能です。がちがちのホラーではないので、肩の力を抜いてゆるーい気分で観れるゾンビ映画です。

監督:エドガー・ライト
脚本:エドガー・ライト、サイモン・ペグ
制作:ニラ・パーク
音楽:ダン・マッドフォード、ピート・ウッドヘッド
出演者:サイモン・ペグ、ニック・フロスト

■ゾンビが人間に恋をした!「ウォーム・ボディーズ」

ゾンビが蔓延している終末状態の世界が舞台になっています。ゾンビ青年Rはふとしたことから人間である少女ジュリーに恋をします。ジュリーが他のゾンビに襲われているところをRが助け、それをきっかけにRは次第に人間の心を取り戻してゆきます。ジュリーとRの関係がやがてゾンビたちの世界に大きな変化をもたらしはじめ……。原作の小説がシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をもとに書かれた作品です。ゾンビ映画というよりはラブコメ映画といっても良いようなゾンビ映画です。

監督:ジョナサン・レヴィン
脚本:ジョナサン・レヴィン
制作:デヴィッド・ホバーマン、ブルーナ・パパンドレア、トッド・リーバーマン
音楽:ルコ・ベルトラミ、バック・サンダース
出演者:ニコラス・ホルト、テリーサ・パーマー、ジョン・マルコヴィッチ

■恐怖!走るゾンビの登場!「ドーン・オブ・ザ・デッド」

アナは病院で看護婦として働いている女性。夫ルイスとはごく普通に結婚し幸せな生活を送っていました。そんなある日目覚めると近所に住んでいるヴィヴィアンが顔に重症を負い、寝室の前に立っていました。慌てて駆け寄ろうとしたルイスにヴィヴィアンはかみつき、そのまま喉を食いちぎってしまいます。目の前で死亡してしまったルイスの姿をみたアナは助けを求めるため電話をかけようとしますが、混雑してなかなかつながらず、そうこうしているうちになぜか死亡したはずのルイスが起き上がり、牙をむいて襲いかかってきます。間一髪、自宅から脱出したアナですが、外の様子に唖然とします。建物は炎に包まれ、人間が人間を襲うという阿鼻叫喚な世界。アナは近くに止めてあった車に乗り込み逃げようとしますが……。

1978年に制作された映画「ゾンビ」のリメイク版です。コメディタッチのリメイクだった「ショーン・オブ・ザ・デッド」とは異なり、ホラー要素満載の見ごたえのある映画です。今までのゾンビは動きが遅く走れば逃げれるものが主流でしたが、この作品では走って向かってくるので怖さが半端ないんです! 今までのゾンビ映画じゃ物足りない! という方にぜひ観てほしい作品です。

監督:ザック・スナイダー
脚本:ジェームズ・ガン
制作:マーク・エイブラハム、エリック・ニューマン、リチャード・P・ルビンスタイン
音楽:タイラー・ベイツ
出演者:サラ・ポーリー、ヴィング・レイムス、メキ・ファイファーほか

■道具を使うゾンビの登場!「デイ・オブ・ザ・デッド」

ある日、コロラドの田舎町で風邪に似た症状の伝染病が流行りだしました。突然現れた軍隊が演習だといい、町を封鎖してしまいます。この町出身であるサラ=クロス伍長は部下たちと演習に参加するために町を訪れていました。実家の母親が伝染病に感染していたため病院へと連れゆきますが、病院は感染者たちであふれかえっていました。そして、何がきっかけかはわかりませんが、患者たちが一斉にゾンビへと変化し、人間を襲い始めます。倉庫に逃げ込んだサラ達は病院からの脱出を試みようとしますが……。1985年に公開されたゾンビ映画「死霊のえじき」のリメイク作品ですが、オリジナル作品とは設定が大幅に変えられていてアクション要素の強い作品となっています。2005年に公開された「デイ・オブ・ザ・デッド2」はタイトルは同じですが全く関係のない作品です。この作品に登場するゾンビは銃を使用したり生前の恋人を守ったり、跳ねたりと今までにない行動パターンで楽しませてくれます。

監督:スティーヴ・マイナー
脚本:ジェフリー・レディック
制作:ボアズ・デヴィッドソン、ジェームズ・デューデルソン、ランドール・エメット、ジョージ・ファーラ、M・ダル・ウォルトン三世
音楽:タイラー・ベイツ
出演者: ミーナ・スヴァーリ、 ヴィング・レイムス、 ニック・キャノン、 マイケル・ウェルチ、 スターク・サンズ、アナリン・マコード、 ロバート・レイズ、 クリスタ・キャンベル、イアン・マクニース、 マット・リッピー、パット・キルベイン、 リンダ・マーロウ

■世界中がゾンビで埋め尽くされる!「ワールド・ウォー・Z」

妻と長女レイチェル、次女コニーを学校に送るために車の乗っていた元国連職員のジェリーはいつもとは違う感じの交通渋滞にはまってしまいます。突然、車を放棄して逃げ惑う人々が続出し、危険を感じたジェリーは他の人たちと同じように車を放棄し逃げ出します。人間を凶暴にする謎の病気が世界中で流行しはじめていて、この街はゾンビの大群に襲われていたのです。逃げ惑う人々の中、ゾンビに噛まれた男性が十数秒後にゾンビとなって人々を襲うのをジェリーは目撃します。街を離れたジェリー一家ですが……。大抵のゾンビ映画は建物の中だったり、閉鎖された街の中とその存在場所が限られていますが、この作品では世界レベルでゾンビの大群が活躍しています。意外な結末をあなたはどう思うのでしょうか?

監督:マーク・フォースター
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン、ドリュー・ゴダード、デイモン・リンデロフ
制作:ブラッド・ピット、デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー、イアン・ブライス
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演者:ブラッド・ピット、ミレイユ・イーノス、ダニエラ・ケルテス、ジェームズ・バッジ・デール、ファナ・モコエナほか

■飛行機という逃げ場のない閉鎖空間でゾンビ発生!「デッド・フライト」

死者蘇生の実験で使用している人体を旅客機で運んでいる最中、人体を保管するための装置が壊れてしまいます。そうして人体がゾンビとしてよみがえってしまい、乗務員や乗客が次々と襲われ、旅客機の中はゾンビであふれかえります。機長さえもがゾンビに襲われてしまいます。事態を知った大統領は軍による撃墜命令をだし、混沌とした機内で何とか生き延びた4人が制御不能になった旅客機を何とかしようとしますが……。ちょっとB級ホラー寄りなゾンビ映画です。旅客機という閉鎖空間でのゾンビ増殖は凄まじく、気が付けばもう右も左もゾンビ状態。狭い機内で銃でゾンビと戦闘シーンは見ごたえがあり、生き残り4人がどのように切り抜けるのかみていてハラハラします。ゾンビのメイクや演出などもとてもよくできている作品です。

監督:スコット・トーマス
脚本:スコット・トーマス、シドニー・イワンター、マーク・オンスポー
音楽: ネイサン・ワン
出演者:デヴィッド・チザム、クリステン・カー、ケヴィン・J・オコナー、デレク・ウェブスター、レイモンド・J・バリー サラ・レイン、リチャード・タイソンほか

■未知の感染症により、人々が凶暴化!「REC」

ごく普通の消防士の密着取材のため、通報のあった建物に消防士と同行したレポーターたちですが、そこには未知の感染症に感染し、凶暴化した人々が集まってました。未知の感染症が広がるのを防ぐため、建物が封鎖されてしまいますが、感染していないレポーターたちも一緒に隔離されてしまい……。この作品では未知の感染症にかかった人がゾンビのように人を襲いますが、この感染症、実は病気ではなく「悪魔」がかみつかれた人に感染してゆくという設定になっています。そのためか人間を食べる要素がほとんどなく、神父やお祈り、十字架などが登場します。ちょっと変わったゾンビ映画なので最近同じようなゾンビ映画ばかりでつまらないという人におすすめの作品ですね。

監督:ジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ
脚本:ジャウマ・バラゲロ、ルイソ・ベルデホ、パコ・プラサ
制作:フリオ・フェルナンデス
出演者:マヌエラ・ベラスコ、フェラン・テラッサ、ホルヘ・ヤマン・セラーノ、カルロス・ラサルテ、パブロ・ロッソ

■人間と同じように自我を持つゾンビ!「ランド・オブ・ザ・デッド」

物語は近未来の設定で、地球上にゾンビが蔓延している世界です。かろうじて生き残った人びとは、川に囲まれた島に防御用のフェンスを敷き、街を作りました。その街では高層ビルで暮らす裕福層とスラムに住む貧民層に分かれていました。この世界のゾンビたちは、人間と同じように自我を持つ者たち。その自我を持つゾンビ「ビッグ・ダディ」率いるゾンビが街を目指して川を渡ろうとしますが……。知恵を付けてゆくゾンビたち相手の戦闘は手に汗握るものがあります。過去のゾンビ作品はスプラッタ要素の強いものが多いですが、この作品はアクション要素の強いゾンビ映画となっています。

監督:ジョージ・A・ロメロ
脚本:ジョージ・A・ロメロ
制作:マーク・キャントン、バーニー・ゴールドマン、ピーター・グルンウォルド
音楽:ラインホルト・ハイル、ジョニー・クリメック
出演者:サイモン・ベイカー、デニス・ホッパー、ジョン・レグイザモ 、アーシア・アルジェント、ロバート・ジョイ 、ジョアンナ・ボーランド、トニー・マンチほか

■やっぱりゾンビ映画といえばこれ!「バイオハザード」

ラクーンシティ郊外にあるアンブレラ社の血か研究施設「ハイブ」内にて「T-ウィルス」という研究中の生物兵器が何ものかの手によって施設内に漏えいし、バイオハザードが発生してしまいます。外部へのウィルス流出を防ぐためハイブのメインコンピューターである「レッド・クイーン」は各区画を閉鎖し500名を超える研究所員を全員殺T-ウィルスの汚染を閉じ込めようとしますが……。原作はカプコンが制作した日本のプレイステーションゲーム「バイオハザード」です。ゲームとは設定が若干違いますがゾンビ以外の主なモンスターも登場しスリルあふれる作品となっています。

監督:ポール・W・S・アンダーソン
脚本:ポール・W・S・アンダーソン
制作:ポール・W・S・アンダーソン、ジェレミー・ボルト、ベルント・アイヒンガー、サミュエル・ハディダ
音楽:マリリン・マンソン、マルコ・ベルトラミ
出演者:ミラ・ジョヴォヴィッチ、エリック・メビウス、ジェームズ・ピュアフォイ、コリン・サーモン、ミシェル・ロドリゲス、マーティン・クルーズ、パスクエール・アリアルディ、ハイケ・マカッシュ、ミカエラ・ディッカー、ジェイソン・アイザックス

いかがでしたか? 今回は王道なゾンビ映画以外にもさまざまな作品をご紹介しました。ゾンビといってもさまざまなタイプがいますし、作品によってその怖さなども違います。いろいろなゾンビ映画を見て比較してみてはいかがでしょうか?