「お金が不安だから節約」が人を貧乏にする 格差が広がる時代のお金の考え方

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■世は格差が広がっている

まだまだ景気がいいといえない日本でも、富裕層は増加しているそうだ。

ボストンコンサルティンググループが毎年発表している「グローバルウェルス・レポート」の2015年度版によれば、資産100万ドル以上の日本の富裕層は増加中で、アメリカ、中国に次いで世界第3位。一方で、貧困層も増大している。厚生労働省の2015年3月度の「被保護者調査」で、生活保護の受給者数・受給世帯ともに過去最悪を更新したと発表している。つまり格差が広がっているということである。

では、そんな格差拡大の時代に、どうやって富を増やせばいいのか。

■「節約」は思考停止?

成功者の多くは型破りで非常識だ。なぜなら、今まで正しかった常識は時代と共に陳腐化していくからだ。

多くの人の行動規範である「日本人の常識」は、実はただの固定観念や先入観に過ぎず、チャンスを逃すだけの旧い思考パターンかもしれない。そう断言するのは、『新版 貧乏人が激怒する 新しいお金の常識』(光文社刊)の著者である午堂登紀雄氏だ。

例えば、「節約はいいこと」と一般的には言われている。そのためか、日本では多くの人がすぐ不況になると倹約と考えがちだ。しかし、その本当の理由は「あまり考えなくてもよいから」だと午堂氏は述べる。

■「節約」が招く行動への影響

節約は、我慢するか比較して安い方へスイッチするだけなので簡単でやりやすく、そこに考える力はほとんど必要ない。節約は、どう工夫したとしても基本的には守りだ。

手取り月収が30万円なら、極限に節約したとしても使える上限は30万円以上にはならない。さらに、今後は増税に加え、社会保険料負担も増加していくので、可処分所得は減っていくことが予想できる。にもかかわらず、「収入の範囲内で生活しましょう」というアドバイスが本当に有益なのか。こうした発想は、「自分の能力はこんなものだから、目標はこんなもの」と考えるのと同じであり、人生の縮小均衡を招くと午堂氏は指摘する。

大事なのは、守るよりも攻めることだ。どうすればもっと稼げるか、どうすれば家計のパイそのものを大きくすることができるかを考える。それは、ひいては人生がよりおもしろくなるお金の使い道があるかを考えることにつながる。

サラリーマンなら、自分の生涯年収もだいたい見当はつく。どのくらいの生活を送れるかも見当がつくから、その中で人生を決める。
そう考えるのは常識的だろう。しかし、本書の考え方は違う。まずは、そういった常識を覆し、思考を変えることがお金を稼ぐチャンスを掴むきっかけとなるのだろう。

(新刊JP編集部)