『あいのり』から9年後の彼女。美女のガチンコ恋愛バトルは修羅場に終わった!
熱田久美/30歳 女優・タレント
「撮影までちょっとそこでラクにしててください」と言うと、躊躇せずベッドに座って、そのまま横になった。
短いワンピースを着た彼女は、かなり際どい光景!
なにを考えているのか分からない。ちょっとミステリアスな美女は『あいのり』(フジテレビ系)に出演していた、あの『くぅ』だった。
「『あいのり』に出たのは21歳。小さい頃から子役をしていたけど引退して、航空会社に就職。でも、やっぱり芸能も仕事がしたいと思って会社を辞めたときでした」
まだネットもスマホもそこまで普及していない時代。放送翌日は、『あいのり』の話題で持ち切りだった。リアルタイムで、その恋愛模様にやきもきさせられた人も多いのではないだろうか。
「あいのり」ってヤラセですか?
あのとき、知りたくて仕方なかったことを聞いてみた。「あいのり」って本当はヤラセもあるんですよね!?
「ないですよ(笑)。本当に台本もない旅でした。ヤラセじゃなくても、十分盛り上がるんですよ。旅の間は嫌でも人と一緒にいて、みんなと向き合わないといけない。演技する余裕もないし、気持ちもむき出しになっていきますね」
男4人、女3人という絶妙なバランスと、バスという密室空間。『あいのり』があれだけ人を熱中させたのは、揉めないわけがないシチュエーション下で白熱する人間ドラマにある。
「ある年上の女性と合流したときからずっとシカトされて。どうやら、その女性が気になっていた男性が私を好きだったみたいで。私がその男性と話しているのが気に食わなかったみたいです」
なにもしてないのに、話しかけても無視。最終的にケンカもした。それで深夜に数時間も話し合って、決着をつけたという。
繰り広げられるキャットファイトに「さすがにここまでしないだろ! 」と盛り上がった記憶もあったが、演技でもなんでもなかったらしい。
シナリオもなく、あれが本当に女の本性だと思うと、ちょっと怖くなる……。むしろ、ヤラセであって欲しかった!
結局、“くぅ”は1つ年下の男性に告白されて、カップルになって日本に帰国した。
果たして、テレビで放映されることのない、その後は――。
さぁ、日本に帰国した“くぅ”のその後を暴露します!
「一年半くらいで別れたかな。理由はあまり言いたくないからごめんなさい(笑)。ホントいろいろありました。価値観も違ったし、しばらくは距離をおいて付き合ったけど、結局終わりました」
『あいのり』の恋は修羅場で始まり、修羅場に終わったようだ。
「東京って、あまり人とガチンコで向き合うことはないですよね。気の合わない人とはそれっきりで終わるみたいなところがある。でも、あの旅で学んだのは、苦手だと思っていた人でも掘り下げてみると、じつはいい人だったりすること。イヤなところがある人でも、自分からシャットアウトしないで、良いところを見つけるようになりました」
東京はしがらみが多い!
「東京はしがらみが多いですよね」
東京での恋愛について聞いたときに、彼女がぽつりとつぶやいた言葉は、誰もがうなずけるものだった。自分と相手の肩書き、ポジションなど、カップル成立にはさまざまな条件が必要で、単純にはいかないのが東京での恋愛だったりする。
「でもあの番組は知らない土地で知らない人と、テレビも自由もない生活を続けるわけだから、恋愛しかやることがないんですよ。誰かのいいところを見つけて好きになるっていう、シンプルに恋愛する姿勢を取り戻しましたね」
では、「あいのり」で一皮むけた彼女が求める恋愛とはどんなものなのか?
「毎日一緒にいたいし、彼氏ができたら一緒に暮らしたい。でも、“構ってちゃん”な男性は苦手です。やきもきしたりされたり、そういうのって続くと疲れてしまう」
嫉妬はするのもされるのもイヤらしい。それって『あいのり』でその怖さを知ったから……?
「相手を想う気持ちと、執着って違うじゃないですか。相手がどこにいたのか、自分だけのものになって欲しくて相手を責めたり、そういうのはイヤです。俺を理解してくれ! みたいな男性はとにかく苦手。なにをしているのか分からないミステリアスな人が私にはちょうどいい」
嘘をつかれていたとしても自分が分からなければOK、という割り切った考えもある。
昔はちょっと危ない男にハマった時期もあったらしい。あるとき、付き合った男性は普通に会っていたのに次の日にはどこかに消えてしまった、なんて刺激的なエピソードも……。
「いろいろあったけど、最近は一緒にいて心地いい、とにかく余裕がある人に惹かれます」
いい意味で相手に期待をしない、自分の気持ちに見返りを求めない。
ちょっとクールな彼女の諦観のルーツは『あいのり』でのガチンコ恋愛バトルにあるのかも。
彼女が真実の愛を探す無期限の旅を終えて、一緒にラブワゴンを降りる男性はいつ現れるのだろう。
熱田久美 公式ブログ
http://lineblog.me/atsutakumi/