「耐震率」全国ワースト...地震の備え、後手に回る広島県の現状
［Jステーション-広島HOMEテレビ］2016年4月19日放送で、広島の防災拠点の耐震率が、全国でワースト1位になってしまっている理由について緊急取材していました。
2016年4月16日に起こった熊本地震で、熊本県宇土市の庁舎は使用不可能なほど崩れてしまいました。益城町でも、災害対策本部を置いた役場が被害を受け、立ち入り禁止となっています。熊本地震では、こうした防災拠点となる建物が被害を受けています。
地震が少ない土地柄で意識が低かった
広島で地震が起きた場合、どうなるのでしょうか。完成から、2016年でちょうど60年となる県庁舎は、壁にひびなどが見られ、老朽化が目立ってきています。
県庁舎は、2011年度の耐震診断で、震度6強で損壊する恐れがあるとわかりました。県はこのとき耐震化の方針を決め、2016年度設計が始まりましたが、工事完了は2022年度になる予定です。
災害時に対策本部などが置かれ、防災拠点となる公共施設の耐震率。広島県は、2015年3月末消防庁の調べで、73.4％と全国最下位になっています。
2011年11月に、県北部を震源とし、最大震度5弱を観測した地震では、三次市の小学校で体育館の天井がはがれるなど、被害も起きています。ちなみに、公立小中学校の耐震化率も、広島は5年連続で全国最下位です。
県は耐震の遅れを、県の建物については、財政難や地震が少ない土地柄で意識が低かったと説明しています。災害時、命のとりでとなるべき防災拠点。その耐震化が急がれます。（ライター：haruhana）
