日本では大学新卒者の就職事情は改善傾向にあり、すでに売り手市場となっているようだが、隣国の中国や韓国の新卒者は厳しい状況のようだ。中国メディアの新華社はこのほど、日中韓の新卒者の就職状況について紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本では大学新卒者の就職事情は改善傾向にあり、すでに売り手市場となっているようだが、隣国の中国や韓国の新卒者は厳しい状況のようだ。中国メディアの新華社はこのほど、日中韓の新卒者の就職状況について紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、中国では新卒者数が過去最高となり、競争が激化していることを伝えつつ、韓国では景気悪化で失業率が上昇していることを紹介。中韓とは対照的に、日本は景気回復に向けた期待で就職事情が改善されたと伝え、3か国の新卒者の就活を取り巻く状況がそれぞれ異なっていると紹介した。

 中国では2016年の新卒者は770万人以上と過去最高となる見込みだが、経済成長の鈍化で就活が困難になっているという。日本の民間企業就職希望者数が40万人程度であることを考えると、770万人という数字がいかに多いか分かる。1つの職に平均48人が応募する状況で「熾烈な戦い」となっているが、新卒者たちの6割が「二線都市での仕事を選ぶ」ことで、対処しているという。二線都市は、北京市や上海市といった一線都市よりも生活費が抑えられ、給料も三、四線都市よりは良いからだ。
    
 韓国の場合、給与が高く安定した仕事の競争率は極めて高いため、大学生はさまざまな資格を取得することで自分の能力を証明することに力を入れている。そのための準備に3-5年もかけるという。また、待遇の良い仕事を見つけるために、わざと卒業を遅らせる人も多く、学校側もそれを認めていると紹介した。

 一方の日本は景気回復に向けた期待感から就活環境は改善しており、すでに売り手市場となっている。日中韓における新卒者の就職を巡る環境は、現時点では日本がもっとも良いと言えそうで、景気が減速傾向にある韓国がもっとも深刻な状況だ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)