敦賀気比vs福井工大福井
1失点完投のエース・山��颯一郎(敦賀気比)
敦賀気比は1回に4番・天野涼太(2年)の先制タイムリーなど、2回までに5点のリードを奪った。
3回以降は福井工大福井の投手陣に苦しんだが、エース・山�� 颯一郎(2年)が1失点で粘り完投。秋の北信越大会連覇を達成した。
｢選手たちがほんとによく頑張ったなと思います。中盤以降は点が取れなかったが、しっかり守れた。山��は何とも言い難いピッチングではあったがみんなが守ってくれたということで、勝てて良かった。新チームに入ってからみんなで(春の)選抜の優勝旗を返しにいくんだということでやってきたので、(優勝で)近づけて良かった｣と東哲平監督は讃えた。
指揮官の言葉の中にあるように、エースの山��は今夏の甲子園で披露した力強い直球とはややかけ離れたピッチングではあった。140キロに乗らない直球だけではなく、相手打線に打ち返される。バックの守備もあって失点は1でとどめたが、被安打は8と打ち返された。特に6回と7回は一死満塁のピンチが続き、｢1点も与えたくなかった｣と気持ちで乗り切った。
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優勝旗を手にダイヤモンド一周
夏ほどのスピードが乗らないことについて山��自身は、｢夏から体重が減ってきている。体重が減ってもスピードは落ちないと思っていましたが、自分が思っていた以上に落ちた。夏前は82キロあったが、今は78キロくらいです｣と分析する。さらに、｢甲子園では自分の120パーセントの力が出て、いつもの自分じゃない自分が出た。その時と比べると、今は全然で、60パーセントくらい。そういうのが自分の悪い所ところ｣とも付け加えた。もどかしさはあるが、それでも4試合32イニングを投げて5失点とまとめた。
次の舞台は昨秋に全国デビューを果たした明治神宮大会だ。｢去年は自分が投げて負けた。成長した姿を見せたい｣と力を込めた。11月の神宮で、全国屈指の右腕とアピールができかに注目したい。
一方、敗れた福井工大福井は、前日の準決勝で右ひざを負傷したエース・田中 嵐士(2年)がこの日は登板できる状態ではなかった。骨には異常がない模様だが、｢(福井に)帰ってから検査をします。痛みは昨日よりはマシになっています｣と話し、決勝ではサポートに徹した。序盤、先発した背番号11の巽竜馬(2年)が大量失点し、田中は足をひきずりながらベンチとブルペンを往復して控え投手に｢少し早めに肩を作って｣と声をかけた。富山市民球場の同線は、ベンチとブルペンの行き来がカメラ席後方にあってスタンドからも見えるため、このエースの様子に気づいた観客もいるかもしれない。試合後は｢しっかり治す｣と来年1月に春の便りを待つ気持ちを力強く語った。
また先発の巽は3回以降立ち直り、石黒直哉(2年)、福田翔人(2年)と継投して残り7イニングを1安打無失点に抑えたのは大きな自信になるだろう。前半の失点は痛がったが、準優勝校に相応しい戦いぶりを見せた。
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