2015エボルタチャレンジ


乾電池を動力とした車両で世界最長距離の鉄道走行ができるのか? 埼玉県立川越工業高校の生徒たちがギネス世界記録に挑戦すると発表した。
今回の挑戦は川越工業高校電気科電車班の生徒たちが製作した、乾電池のパワーで走るオリジナル車両で約20km走行を行うというもの。使用する電池はパナソニックの単1形エボルタ。車体重量約1.1tの車両を秋田県の由利高原鉄道「鳥海山ろく線」で走らせるという計画だ。



川越工業高校の電車班では、代々3年生時に実際にパンタグラフから電気をとって走る本格的な電車の制作を2011年から続けている。2014年には高校の敷地の外で初めて走るデモ走行を実現し話題になったが、今回はより大き目標に挑戦することになった。

リーダーを務める槻木澤拓海さんは「このメンバーなら大丈夫」と自信を見せる。その一方で、8月に行われた現地での試走では課題も見つかったという。確実に、そして安全に走行できるようにと11月3日のチャレンジ当日まで調整は続く。



今回のプロジェクトに参加しているのは電車班だけではない。車両のデザインを担当したのは「デザイン班」の女子生徒たちだ。電車班の13名それぞれをイメージした歯車を車体にデザインし「進み続ける力」を表している。



指導をする君島栄先生は、実際に長い距離を走れるのか不安もある、と話しながらも「チャンスは呼ぶもの活かすもの。優秀な子どもたちがなんとかしてくれると信じている」と話した。またこの発表会には由利高原鉄道の春田啓郎社長も登場し「新しいことをやって地方の鉄道を盛り上げたい。できる限りのサポートは行う」とエールを送った。



チャレンジ当日まであと2ヶ月。多くの人の応援や期待を背負ったこのチャレンジの行方が楽しみだ。