ミラン復権の厳しさ語る本田「それでも必要とされるならば残りたい」

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 日本代表FW本田圭佑が所属するミランは24日、セリエA第37節でトリノと対戦し、3−0で勝利を収めた。

 この試合に先発フル出場した本田は、良いタイミングでボールをもらえるようになったと手応えを口にしながら、「欲を言えば、最後のフィニッシュのところ。何度も言っているように、点を取らないと生き残れない。今の前線は一昔前に比べるとレベルが全体的に下がっていて、こういう形で一年間何とかレギュラーをキープできましたけれど、来年からは本当の意味でのレギュラー争いが始まるのではないかと思います」と今シーズンを総括し、飽くなき向上心を見せた。

 来シーズン、ミランはカルロ・アンチェロッティ監督の復帰を望んでいると報じられている。ミランにとって必要な監督像を問われた本田は、「経験豊富な監督であることは間違いないですよね。世界での勝ち方を知っている人間というのが必須なんじゃないかと思います」と回答。「それに連動して、選手もやはり世界での勝ち方を知っている選手が求められてくる。そういう意味では今の経験値、実績、選手としては全体的にやはり物足りないのかな、と思いますけどね」と、自身の見解を示した。

 残り1試合を残して10位につけるミラン。新しい黄金時代を築き上げることは「簡単なプロジェクトではない」と主張する。「しばらくミランは(世界的レベルで)勝っていない。このチームにいるイタリア人も世界で勝っている実績のある選手は一人もいないし、なおかつイタリア代表が少し低迷しつつある中で、そのイタリア代表の選手も少ない。イタリア代表で中心になっているような選手が、おそらくミランに必要だと思う」と語った。

 そして、ともに戦った監督や選手たちの名前を挙げながら、不振脱却の厳しさを説いた。

「(マッシミリアーノ)アッレグリも調子の悪くなったミランを立て直すことができなかったし、(クラレンス)セードルフ、(フィリッポ)インザーギ、彼らの情熱持ってしても変えることができなかった。選手にしてもカカ、(マリオ)バロテッリ、ロビーニョ、本当に世界の最前線で活躍した選手でさえもこの難しいミランを立て直すことはできなかった」

 10番を背負う本田は、「個人の損得でこのチームを去っていく選手は多いですけれど、少なくとも自分は来シーズン、ここに必要とされるならば残りたいと思っています」と、来シーズンもミランで自分の存在価値を証明したいと語った。