『ニャンコあるある』『ニャンコあるある2』ネコマタ部長(編) / 白夜書房

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「あるある」と検索をすると、そのヒット数は膨大な数に上る。学生時代の部活あるあるもあれば、県民あるある、血液型あるあるなどなど……。あるある、と書かれているとついつい読んでしまい、自分が該当するようなものがあれば「わかるー!」と同意して楽しんでしまう。

そんな楽しい「あるある」の中でも筆者がとても好きな猫の「あるある」をまとめた本があると知ってすぐに食いついた。それが「ニャンコあるある」「ニャンコあるある2」だ。

ただでさえ楽しい「あるある」が大好きな猫でまとめられているなんて! こりゃもう買うしかない! と文字通り本屋に走った次第である。

「ニャンコあるある」は現在パート2まで発売されているが、もちろん両方買って1から読んで2まで読了することを強くお勧めしたい。なぜなら、1を読むとわかるー! わかるー! と激しく同意ができ、2を読むと「ウチの子はこんなことしないぞ」とか「これはむしろやってほしい…!」といった感じで、冷静に「あるある」検証できるからだ。

こんなに猫飼いの心をつく「あるある」をまとめられるなんて、さぞかし猫好きの方々が集まった熱い企画会議であったのだろう…! と思い、発行の経緯について編集者のネコマタ部長さんに聞いてみた。

「編集部で猫好きの編集者やライターさんたちと話していた時、『こういうことってありますよね? 』『あるある!』という話が盛り上がり、世間で猫人気と「あるある」を扱った本が盛り上がっていることもあって、企画を提案いたしました。企画会議……というほどの感じではなく、最初は猫好き同士の駄話からスタートしたような気がします。今回の2作目に関しては、1作目が好評だったので、出版社からお願いされまして。正直、前作で出し尽くした感があったので、最初は無理だと思ったのですが、会議をしているうちに話が盛り上がってしまい、やることになりました。」

出し尽くしたと思ってもまだある、それが猫好きの「あるある」パワーなのかもしれない。ちなみに私はパート1を読み始めてあまりの「あるある」の多さについつい笑ってしまったのだが、その中でもかなり激しく同意したのがこちらだ。

・買ったおもちゃより、入っていた箱で遊ぶ。
・よく吐く。
・トイレや風呂に入ると、ドアの外で待っている。
・猫トイレを掃除した途端、用を足す。
・PCのキーボード上を歩き、解除できない設定をほどこす。

などなど…他にも書ききれないほど激しく同意できる「あるある」が満載だった。そこで、実際に企画会議の段階で「あるー!」と参加者の同意を激しく勝ち取った「あるある」はあるのか、ネコマタ部長さんに聞いてみた。

「実際のところ、会議で一番盛り上がったのは、『ないない』の方だったりします。例えば、パート2の81ページ『筋トレしているとネコパンチしてくる』などは『えっ、うちの猫はそんなことしないよ!』『いや、絶対するって!』みたいな感じで熱い議論が繰り広げられました。ただ、パート2の53ページ『他のネコ科動物どころか、似ているものなら何でも気になる』は山野りんりん先生(書籍内の漫画を担当)が出してくれたネタですが、他の人たちも『わかるー』と非常に頷いていました。」

それはないわー、という意見も出たということだが確かに「あるある」を片手に猫好きの人たちと「うちの子はやる!」「いやいや、やらないって」など、そんなニャンコあるある座談会ができたら、とっても楽しそうだ。

最後に、本書をお勧めしたい方についてもネコマタ部長さんに聞いてみた。
「猫が好きな人なら、『あるある!』とか『ある…かも?』といった具合に楽しめる一冊になっています。山野りんりん先生、岡田千夏先生、ななおん先生たちの可愛い猫イラストを見ているだけでも癒されるので、買っていただけるとうれしいです。」

折りしも季節は春、子猫が誕生する季節だ。たくさんの子猫が、貰い手がなく悲しい運命を辿ることが多いのが現状だが、この「ニャンコあるある」を読んで今年こそ! とお家にかわいいニャンコを迎えてくれる人が増えてくれればいいなぁと思う。
(梶原みのり/boox)