優勝が決まり笑顔の佐伯

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<全日本テニス>
7日目/20日/東京・有明テニスの森公園/女子シングルス決勝

 大会も残すところあと2日。女子シングルスの王者を決める日がやってきた。

 決勝の相手はこの大会でのライバルに挙げた者同士、佐伯美穂VS中村藍子。

 佐伯は、去年も決勝に進みながら、長年のライバルであり、親友でもある吉田友佳と戦い、惜しくも王者のタイトルを逃しているだけに今大会へかける思いはどの選手より強いといえるだろう。その象徴として、今年はシングルス一本に絞り・タイトル奪取に万全の体制で臨んでる。中村との対戦成績は2戦2敗と相性はよくないが、「今日こそは」と闘志を燃やしている。

 一方、中村もトップシードというプレッシャーを跳ね除け、ココまで苦しみながらも順調に勝ち上がってきた。"今、日本で最も勢いのある選手"とも言われており、9月のWTAツアーでは予選を突破し、本戦一回戦では杉山愛を破る大金星をあげている。「この大会は取っておきたいタイトル。上へ行くための通過点。優勝したい。」と中村も佐伯に負けない思いで挑む。

<第一セット>
 中村は深く厳しいボールを放つと返ってくる浅いボールを中心きっかけにハードヒットで佐伯を揺さぶる。佐伯もに強打に負けじと喰らいつき、スライスなどの緩急のついたボールを駆使し、安定したショットを放つ。序盤、中村がリードするも、終盤は佐伯が巻き返す。観客席も息をのむほどの、張りつめた戦いはタイブレークに縺れ込んだ。その後も、この二人は一歩も譲らなかった。中村がポイントリードしても、佐伯が追いつく・・・佐伯がポイントリードしても、中村が追いつく・・・一球一球目が離せないまさに互角の戦い。その緊張感の中、このセット粘り勝ちをしたのは、安定力で勝る佐伯だった。終わってみればタイブレークは11−13の大接戦、客席からは大きな拍手が注がれた。

<第二セット>
 この勢いで第二セットは佐伯が調子を上げていく。逆に第一セットを落としたことで、何か中村に変化があったのであろうか?ミスも目立ち始め、そのまま佐伯の流れを変えることはできず、佐伯に対して負け知らずだった中村だが、この大会ではストレートで敗れてしまった。

佐伯○ (7−6・6−4) ●中村

試合後、コートでの優勝選手インタビューで佐伯は「今年はケガが多くて、全日本の前もケガをして思うように練習ができなかったけど、原田コーチをはじめ皆さんが励ましてくれました。みんなさんのおかげで勝つことができました。28歳にして、やっとタイトルをとることができました。応援ありがとうございました。」と歓喜の涙を見せながら・・・笑顔で話した。