制度変更で「オーマイニュース」どうなる?

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   「市民記者」として登録すれば誰でも記事を書くことが出来るとして06年8月末にオープンし、注目を集めたニュースサイト「オーマイニュース」だが、最近はネット上で「祭り」になることもなく、PV(ページビュー)も「低位安定」といったところ。韓国の「本家」も「赤字転落」との説も出ている。いったい、どうなっているのだろうか。

   J-CASTニュースでも報じてきたように、8月初めには「開店準備ブログ」が炎上したり、8月28日の正式オープン直後には2ちゃんねらーによる「自作自演記事」を掲載するなど、編集部が望む形かどうかはともかく、注目を集めてきた。

目標は年内に月間1,500万PVだった

   9月初めには、鳥越俊太郎編集長とオーマイニューススタッフやブロガーなどが参加するシンポジウムが開かれ、「市民記者」のあり方について議論も行われた。平野日出木編集次長はこの場で、「目標は年内に月間1,500万ページビュー」と、高らかに宣言もしてみせた。
   それから2ヶ月。オーマイニュースがネット上で話題に上ることもすっかり少なくなった。この「話題の減少ぶり」は、オーマイニュースへのアクセス数の推移にも現れている。インターネット上のトラフィックを分析しているサイト「Alexa」で、アクセス状況をグラフ表示させてみると、8月末のオープン時が突出している。その後大きく落ちこみ、それからは微減か横ばい。グラフの現在の「山の高さ」は、オープン時に比べると8分の1から9分の1だ。オーマイニュース広報担当によると、現在は1日20万のページビューがあるという。
   韓国の「本家」でも、「Alexa」によると04年を境にアクセスは減少を続け、最近では日本版の2倍弱程度で推移しており、06年11月1日の米ビジネスウィーク誌は「06年は赤字転落か」と報じている。

   そんな中、大きな動きが起こった。これまでオーマイニュースには名前や住所、銀行口座番号などを登録する必要がある「市民記者」と、銀行口座を登録する必要はないが、コメント欄にだけ投稿できて記事を書くことはできない「オピニオン会員」という2つの会員制度があったが、11月17日正午をもって「オピニオン会員」が廃止され、「市民記者」に一本化されたのだ。「オピニオン会員」は、「市民記者」より匿名性が高いため、コメント欄が荒れがちだったのが、この制度変更のきっかけだった。この決定を行うにあたって、コメント欄でオピニオン会員の間で議論が行われたが、最後は編集部側で「やはりまとまらない感じですよね」と、なかば押し切った形で決定されたことに対して、批判も起こっている。編集委員でジャーナリストの佐々木俊尚さんは、この決定プロセスについてCNETのブログで長文の記事を掲載して批判している。

実際に記事を書いているのは約400人

   こうした動きについてオーマイニュース広報担当は、J-CASTニュースに対してこう話す。

「出来れば市民記者という制度で一本化したいです。(制度変更前の)11月14日時点では、1,431人のオピニオン会員がいましたが、制度変更以降は、実際に100人以上が市民記者に移行しています」

   さらに、登録している市民記者は2,513人いる(11月28日16時現在)のに対して、実際に記事を書いているのは約400人に過ぎないことを明かし、

「映像コンテンツを強化したり、色々な記事の書き方(切り口)を紹介して、もっと多くの人に記事を書いてもらえるように働きかけるなどして、巻き返しを図ります」

という。