東京拘置所を出る中村被告。(資料写真:吉川忠行/06年3月17日)

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ライブドア(LD)事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた元社長、堀江貴文被告(33)の第13回公判が10日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれ、金融子会社「ライブドアファイナンス」(LDF)元社長、中村長也(おさなり)被告(39)=分離公判中=に対する弁護側の2回目の反対尋問が行われた。

 この日、中村被告は自社株売却益を利用した企業買収の経緯について、堀江被告に報告した様子を証言。LD元取締役、宮内亮治被告とともに2003年11月中旬、堀江被告の席に行き「社長、野口(英昭エイチ・エス証券元副社長)さんがインサイダーになるおそれがあるので、もう一つ投資ファンドを作り、そこで売ります」と報告したと述べたが、弁護側は「11月中旬は堀江被告はアメリカにおり、あなた方が報告したというのはありえない」と指摘した。

 また、弁護側は中村被告が主尋問で、2004年3月に投資ファンドによる自社株売却益を報告した際、堀江被告が電子メールで「気持ちいいですね」と応じたと証言したことについても追及。「間違いないか。このメールは、一生懸命探してもない」と迫ると、中村被告は「私の記憶ではいただいた」と答えた。

 自社株売却益の計上について報告を受けた堀江被告が「そんなに儲かっちゃうの。予算にのせなくちゃね」と言ったとされる件についても、弁護側がただしたところ、中村被告は「言ったかもしれないが、覚えていない」と述べた。

 さらに弁護側は、03年10月に投資ファンドを利用した自社株売却益の還流について中村被告や宮内被告、野口氏が協議した際に「ファンドに入った利益を自分たちで使っちゃおうという話が出たのではないか」と追及。中村被告は「報酬については出たが、それ以外の話は出ていないと記憶している」と否定した。

 中村被告は前回の公判で自社株売却益約1300万円を流用したことを認めている。次回公判は13日の予定。【了】

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