4日、東京地裁に入る堀江被告。(撮影:吉川忠行)

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ライブドア(LD)事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた元社長、堀江貴文被告(33)の第12回公判が4日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれ、金融子会社「ライブドアファイナンス」(LDF)元社長、中村長也(おさなり)被告(39)=分離公判中=に対する弁護側の反対尋問が始まった。LD株売却益について元取締役、宮内亮治被告(39)=同=は一部流用を認めているが、中村被告も1300万円を私的に流用したと認めた。

 まず、弁護側が問題視したのはLDが企業買収の際に介在させた投資ファンド「M&Aチャレンジャー1号投資事業組合」の運営。業務執行組合員がHSインベストメントから、故・野口英昭氏が香港に設立したペーパーカンパニー「PSI」に一時的に変更されたことについて、弁護側は「あなたや野口さんら、そこに入っている資金を使うためではないか」と追及。中村被告は「変更理由は私には分からない」と証言した。

 一方、宮内被告に対する弁護側の尋問では、女性コンパニオン派遣会社「トライン」を株式交換で買収した際につくったLD株売却益約2億6000万円は「PSI」にいったん送金され、そのうち約1億5000万円は宮内被告と中村被告が同じく香港で設立したペーパーカンパニー「PTI」に流れたことが既に明らかになっている。

 中村被告は「PTI」への送金は野口氏への報酬だったとし、うち3000万円の現金を袋に入れて同氏の勤務先で手渡ししたと証言。また、野口氏の了承を得て4000万円を借りて宮内被告と半分に分け、1300万円を生活費に使ったと語った。残りは別のLD元取締役に貸したものの、返済はされていないと答えた。

 「トライン」分のLD株売却益について、中村被告は「私の認識では、堀江さんの了承を得て、野口さんへの報酬にしようということになっていた」と証言。横の被告人席で聞いていた堀江被告は、体を大きく後ろにそらして苦笑いをしていた。

 宮内被告も同様に9月25日の公判で、「(PTIに送金された)1億5000万円のうち、野口さんから1500万円を借り、生活費に使った」と証言している。【了】

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