4日、東京都千代田区の東京しごとセンターで開かれた「学生起業家選手権」の様子。(撮影:東雲吾衣)

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未来の起業家を育てようと東京都などが主催する「学生起業家選手権」の決勝大会が4日、東京都千代田区の東京しごとセンターで開催された。決勝に進出した10組が最終プレゼンテーションを行い「Borderhill」、「Be-Good」、「イノベーター」(いずれもエントリー名)が優秀賞を受賞した。

 同選手権は、都と中小企業振興公社が、起業家を目指す学生の育成を目的に開催しているもので、今年で5回目。優秀賞に選ばれた3組には会社設立資金として300万円が贈呈され、来年3月末までの会社設立を目指す。

 この日、応募総数84件のうち審査を通過した10組が最終審査に臨んだ。それぞれ20分間のプレゼンテーションを行い、4人の審査員にビジネスプランをアピール。プレゼンテーション後には、審査員から事業内容や収益性などに関する質問が飛んだ。

 優秀賞を獲得したのは、鍼治療で使用する医療機器の開発事業を提案した「Borderhill」(東京医療専門学校)、学生にハウスシェア(新方式のルームシェア)を提供する事業を提案した「Be-Good」(法政大学)、マンガをメインとしたフリーペーパー発行を提案した「イノベーター」(玉川大学)の3組。優秀賞が発表された際には感極まり思わず声が震える出場者もいた。「Be-Good」代表の伊藤吾多さん(21)は、「周りの人の支えも借りながら、学生のために“ハウスシェア”を広げたい」と起業に向けた意気込みを語った。

 藤川昇審査委員長は「審査の決め手は、あと半年以内に会社を興すことができるかどうかという点。事業ドメインがしっかりしているチームが高得点を獲得した」と受賞のポイントについて話し、受賞を逃した参加者らに対しても「あと一歩で社会的に認められる事業プランが完成する。頑張ってほしい」とエールを送った。

 今回は、「ポッドキャスティング」などインターネットや携帯電話をツールにして、広告収入を柱に事業展開するアイデアが目立った。主催者側は、「社会人にはない、若い感性とバイタリティーを期待している。社会の閉塞感を打開するようなアイデアを探し出してほしい」と未来の起業家たちに呼びかけている。【了】