16日、都内のホテルで行われた記者会見に臨むフジテレビの日枝久会長(左)とUSENの宇野康秀社長。(撮影:吉川忠行)

写真拡大 (全2枚)

有線放送大手のUSEN<4842>とフジテレビジョン<4676>は16日夕、東京都千代田区のキャピトル東急ホテルで会見し、フジが保有するライブドア<4753>の全株式(1億3374万株)を、USENの宇野康秀社長が個人で買い取ると発表した。

 取得価格は1株あたり71円で、総額94億9554万円となる。宇野社長はライブドア株の12.74%を保有することになり、ライブドアの前社長である堀江貴文容疑者に次ぐ、第2位の大株主となる。

 USENの宇野社長は「GyaO(ギャオ)のコンテンツを、ライブドアの集客性の高いポータルと組み合わせることで、シナジー効果が出る。顧客のメニューの幅、メディアとしての価値が高まる」と語った。個人で株を取得したことについて「関係をより円滑にし、成果を出すために、業務提携だけでなく、株主になりライブドア社員からの信頼を得たい」と今後の決意を述べた。

 フジの日枝久会長は「複数ある会社の中から、ライブドアとシナジー効果の高い会社を選んだ。“袖触れ合うも他生の縁”という気持ちもあった。もちろん、(宇野社長の買い取り額は)ほかの提案と比べて歴然として高かった」と話した。また、ライブドアに対し、速やかに損害賠償を請求すると重ねて強調した。

 ライブドア株の売却で、フジは特別利益111億7200万円、特別損失345億400万 円を計上することになり、06年3月期の業績予想を修正した。同社の発表によると、同社の連結業績予想は、売上高が前回予想と同じ5883億円、経常利益が同495億円、純利益が同予想を138億円下回る、100億円をそれぞれ見込んでいる。【了】

■関連記事
フジ保有LD株、宇野社長が取得
ライブドア株続伸、87円

■関連動画ニュース
3月16日動画ニュース