24日、報道陣に公開した「マンダリン・オリエンタル東京」に18室あるプレミアグランドルーム=宿泊料金7万2450円(撮影:吉川忠行)

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外資系ホテルの新規参入が相次ぎ、豪華さを競う東京都心の “ホテル競争”に日本橋から参戦─。世界有数の高級ホテルグループ「マンダリン・オリエンタル」(本社・香港)の日本初進出となる「マンダリン・オリエンタル東京」(クリスチャン・ハッシング総支配人)が12月2日、再開発を推進している東京都中央区日本橋の「日本橋三井タワー」に開業する。

 24日に同ホテルで行われた開業記者会見で、来日したマンダリン・オリエンタル・ホテル・グループのエドワルド・エティグェ社長は「東京で最も伝説となるホテルをめざす」と意気込みを示し、「華やかな日本橋の町にある美しく設計されたビルに入居し、最高の立地を誇る。ひと味違いのわかるお客様に魅力を発していく」と、日本橋との融合を強調した。同地区の開発を手掛ける三井不動産<8801>の岩沙弘道社長は、マンダリンと契約した理由を「今の日本橋に欠けているのは国際性。世界のトップクラスの方々が滞在し、魅力を感じる、おもてなしの施設が必要だった」と語った。

 「マンダリン」は、05年7月に完成した日本橋三井タワー(地上39階、地下4階建て)の上層部、30─38階部分に入り、客室数は179室。うち22室がスイートルーム(90、100、250平方メートル)だという。

 宿泊代は、46室あるデラックスルーム(50平方メートル)で6万5100円、1室のみのプレジデンシャルスイート(250平方メートル)で84万円。レストランは、フレンチ、イタリア、コンチネンタル、広東の4店。ティーやシガーが楽しめる38階のロビーラウンジでも、一口サイズ料理で構成する限定ディナーを1日12人まで、完全予約制で提供する。

 施設デザインは、同グループの企業理念「センス・オブ・プレイス(土地の感性や文化を取り入れる)」にならい、茶、黄、深緑などを基調に、文化・商業の中心地として歴史ある日本橋にちなんだ「森と水」、「呉服」を演出している。各部屋からは、眼前にそびえる大手町や丸の内のオフィス街、銀座などのショッピングエリア、遠方にはお台場地区のレインボーブリッジや新宿の高層ビル群が眺望できる。

 東京都心では、07年にかけて高級路線の外資系ホテルの日本参入が相次ぐ。マンダリンから丸の内を挟んだ日比谷に開業予定の「ザ・ペニンシュラ東京」や、今月7月、汐留に開業したばかりのヒルトン最高級ブランド「コンラッド東京」も至近距離に立地する。エティグェ社長は「一室一晩5万円以上のホテルは日本には2つしかない。私たちが3つ目」と、「フォーシーズンズホテル丸の内東京」(丸の内)と「パークハイアット東京」(新宿)を競合としてほのめかし、自らの優位性をアピールした。

 「マンダリン」は、香港に拠点を構える高級ホテルグループで、香港、シンガポール、バンコク、ハワイなどアジア・太平洋地区から、世界の主要都市まで23軒のホテルを展開。09年までに運営客室総数1万室を目標に、リビエラマヤ(メキシコ)やプラハ、シカゴなどでも開業予定で、欧米への攻勢も強めている。【了】

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