【写真提供】水野商店

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 「美容や健康への効果抜群!」と評判の寒天。最近、テレビや雑誌などで頻繁に目にするようになりましたよね。しかし今、スーパーに出かけても肝心の寒天がぜんぜん並んでいないんです。知ってました? これって、いったいどぉ〜いうこと!?

 そもそも、この寒天ブームの火付け役となったのは、テレビの人気生活番組。その効果は、美容やダイエットなどに留まらず、高血圧やコレストロールを減少させ、抗がん作用などの効果も期待できるということが大きく紹介された。手頃で、調理もしやすく、食べ方のバリエーションがあるということも、魅力のようだ。

 放送後、寒天を買い求める人が急増。現在はお店から商品がなくなるという異常事態。だいたい6月くらいから品不足が始まり、7月に入ってからはかなり入手困難な状態が続いている。不足しているという情報がリピーターのまとめ買いを招き、さらに商品不足に拍車をかけているということだ。

 この突然やってきた寒天ブーム・・・。いったいどういう状況なのか、寒天の名産地として有名な岐阜県山岡町で国産の糸寒天を扱う、水野商店を直撃した。

 「誰も予想していなかったので、本当に驚いています」とかなり困惑ぎみ。こちらでは、インターネットで一般に販売をしていたが、現在は注文を受けてもお断りせざるを得ない状況。「寒天のほとんどは冬に作りためて置いたものを1年かけて売るんです」というように、昨冬に作った寒天はすでに売り切ってしまい、今は夏に製造をおこなうわずかな業者の寒天のみでつないでいる。今年の冬の寒天生産が始まるまで、この不足状態は改善されない見通しだ。

 さらに、このブームは大きな問題を引き起こしている。それは、寒天の材料となる天草の価格の高騰だ。今の時点で例年の2〜3割高めになっているそう。この値上がりは、寒天自体の値段にも影響し、今後の値上がりは必須。同じ天草を原料とするところてんへの影響も心配される。

 まだまだ終わりが見えないこの寒天ブーム。誰もが手軽に健康を手に入れたいということなんでしょうか・・・。(文/verb)