日本ハムが先のドラフトで強硬1位指名した、花巻東高校の大谷翔平投手のご両親を訪問。
同球団の山田GMが、「アマチュアから直接メジャーを目指すことのリスクを訴えた」そうです。

各メディアの報道によると、日本ハムは本編だけでも25ページに及ぶ資料を作成したとのこと(パワーポイントかな?)。
果たしてこの熱意は、ご両親経由で大谷投手に届いたでしょうか。

資料自体に目を通した訳ではないので断定的なことは言えませんが・・・
ちょっと気になったのが、日本ハムのプレゼンのポイントが、「メジャー行きのリスク」におかれているように感じられることです。

ある意味では、この戦略は正しいと言えます。
大谷投手は未成年であり、彼の進路選択に大きな影響力を持っているであろうご両親の最大の懸念は、文化や言語が異なる異国へ愛する我が子を送り出すことだからです。

しかし、別の観点からは大変残念で悲しい戦略的です。
日本ハムには、いやNPBには交渉相手のもう1つの選択肢(メジャー行き)のリスクを越える、積極的に日本ハムを選ぶメリットを何も主張できなかったとも言えるからです。
要するに消去法的に自球団を選択させようとしているのです。

また、一旦日本ハムに入団し将来メジャーを目指せと勧めることは、NPBをメジャーへのステップストーン、いやもっとダイレクトに言えば「メジャーのファーム」と位置付けていることを公言しているようにも取れます。

おそらく日本ハムが主張していることのほとんどは正しく、他に言い様もなかったとは思います。
しかし、それを改めてパワポでロジカルにプレゼンされては少々悲しくなります。

極論すれば、これからプロの道に身を投じる若者に訴えるべきメジャーに対するアドバンテージは、「日本語が通じます」ということだけだとNPB球団が書き物で主張しているのです。

その結果、「リスクの小さいほうにするか」と大谷投手が翻意し、消極的にハムを選ぶとなると、それはそれで野球ファンとしては入団後のモチベーションが心配になります。