FWアレッサンドロ・デル・ピエーロがいないユヴェントスを想像するのは、難しいことだ。違うピッチで、違うスタジアムで、違うユニフォームで彼を見るのは、難しいことだ。まるで冗談のようである。だが、すべて本当のことだ。ユヴェントスサポーターは慣れなければいけない。クラブに彼との契約を延長する考えはない様子だが、本人にはプレーを続ける意欲があるからだ。

自身の本の出版を前に、デル・ピエーロは『ヴァニティーフェイア』で、自らの今後も含めてさまざまなテーマについて語った。

「今季は最も難しいシーズンだ。自分が知らなかった現実を前にしたからだね。ほとんどプレーできないという現実だ。自分が外されて当然と思う選手はいない。僕はいつも、出場する選手はそれにふさわしいからだと考えてきた。ただそれは、スタメンの座を争うことを諦めるという意味じゃない」

「10月に(アンドレア・)アニェッリ会長が僕にとってラストシーズンになると言ったこと? 驚いた。でも、キャプテンというのは、決して自分の義務や自分が代表するものを忘れてはいけないんだ。ユヴェントスはリーグとコッパ・イタリアを制覇するために全力を尽くしている。僕らに騒動は不要なんだよ。僕のキャリアにそれはなかった」

「6月30日から僕は契約がなくなる。自分の未来を想像できないよ。大きな変化であり、少し怖れもある。再び家を飛び出すようなものだ。でも、子供のころに好きだったゲームをやっているつもりでいるよ。またレベルアップしなきゃ、ってわけさ」

「本にも書いたけど、僕は自分を監督や会長のように思うタイプじゃない。自分であることを示そうとするタイプだ。いつ引退するかは、まず自分が知る。でも、それはまだ先だ。プレーへの情熱はまだまだ健在だよ」

「(ピエルマリオ・モロジーニ選手の死について)本当に驚いた。彼の個人的な事情が、さらに受け入れたくない悲劇にしている。日々の問題に関することを考えさせられるよ。僕らを取り囲む真の苦しみという現実についてね」

「個人的に彼と知り合うことはなかった。でも、優秀な選手として、サッカーも通じて人生の困難を乗り越えられる人として、みんなが覚えている。スポーツは常にピッチで喜びを分かち合うものでなければならない」

「小学生のときに書いた『大人になったら何をする?』という作文を覚えている。当時はサッカー選手と書く勇気がなかった。自分の夢は恥ずかしいと思っていたんだ。本当の仕事だとは思わなかったからね。父のジーノみたいな電気屋か、トラックの運転手か、コックになると書いた。今は同じ質問に、僕の試合はまだ終わっていないと言えるよ」

「父に子供たちと会わせてあげられなかったことを悔やんでいる。もっと『好きだ』と言えばよかった。彼の死は、僕の人生で最もつらいことだった。僕らは貧しい家庭じゃなかったけど、節約はしなければいけなかったね。今の僕は、好きなゲームをすべて買える子供の一人だ。でも、僕が好きなのはサッカーボールのままなんだよ」

「ユヴェントスのユニフォームでキャリアを終えたかった? それが夢だった。この20年には、つらいときも素晴らしいときも、たくさんの感情が詰まっている。ユヴェントスの記録のほぼすべてを築いたことに身震いするよ。でも、今は状況が変わってしまったんだ」