スペイン時間の19日、バレンシアに所属するアルゼンチン人MFエベル・バネガがとんだアクシデントに見舞われた。練習を終え、ガソリンスタンドに立ち寄ったバネガは、車から降りる際にサイドブレーキをかけ忘れた。よほどあわてたのか、バネガは進行する車を大事な商売道具である足で止めようとしたのだ。

 当然、車の圧力が止まるわけもなく、バネガは腓骨と脛骨を骨折する重傷。20日にも手術が行なわれる予定で、全治までは6カ月かかるとみられる。うっかりしたミスが、今季絶望の悲劇を招いてしまった。

 バレンシアの選手には、過去にもこうした「うっかり」ミスで重傷を負ったケースがあった。2002年5月、日韓W杯直前にスペイン代表GKホセサンティアゴ・カニサレスが、オーデコロンの瓶を誤って足に落とし、右足の腱(けん)を断裂。正GKとして臨むはずのW杯を、泣く泣く欠場するハメになった。

 バネガのケースはカニサレスよりも深刻であり、一歩間違えれば生命の危機もあった。「骨折で済んだ」こともあり、ネット上のファンからは「なぜ足で止めようと」「どこの三流コントだよ」「なんという逸材」「骨折界のファンタジスタやで」「トラップも満足に出来ねえのか」といった軽い反応が多く見られた。