プロスノーボーダーの晃平さん(本名、川口晃平 29歳)が、「アルパインスノーボードを世間に認知してもらう」という目的で、競技を続けながらビデオレーベル「2production」(セカンドプロダクション)を立ち上げた。マイナースポーツ選手の苦労はサッカー女子なでしこジャパンの逸話などで広く知られたが、晃平さんは事業を立ち上げ、その利益を自身の活動費にも充て、五輪出場・メダル獲得を目指すことで、目的の達成を誓う。

 晃平さんは1982年生まれ、北海道出身。2003年に日本オリンピック委員会(JOC)冬季アジア選手権青森大会でGS(ジャイアント・スラローム)優勝、SL(スラローム)優勝、SAJ(全日本スキー連盟)第9回全日本選手権新潟大会でPSL(パラレル・スラローム)優勝などの実績があり、そこから着実に頭角を現し、2011年時点でPSAプロツアーランキング2位。

 ビデオレーベルを立ち上げたのは、「アルパインスノーボードのカッコイイ映像作品を作りたい」「オリンピックに出場し、メダルを獲得したい」という思いからだ。どちらもアルパインスノーボードの存在や魅力を世間に認知してもらいたい、というのが根底にある。2011年秋には同レーベル初の作品となる「KOHEI STYLE 2011」というプライベートDVDを発売する予定だ。

 標準は2014年のソチ五輪。そこまでにさまざまな大会に出場して実績を積み重ね、同時に事業計画も立てて活動資金を獲得していく。そこまでのロードマップも整備した。

 業界関係者によれば、スノーボーダーがワールドカップに参戦すれば、シーズン中の半年間は仕事が一切できなくなる。海外転戦費、エントリー費、そのほかで半年に少なく見積もっても150―200万円は必要になるという。「世界への扉が開いた選手は、日本を代表して世界と戦っているが、一部の有名選手は別として、ほとんどの選手は大変な苦労を強いられ、彼らを支える仕組みもなく、現実は非常に厳しい」という。(編集担当:鈴木義純)