野球において、絶対的な得点のチャンスといえるのが、「ノーアウト満塁」というシチュエーションだろう。だが、18日深夜放送、TBS「S1」では、プロ野球解説者・桑田真澄氏が「ノーアウト満塁」を切り抜ける独自の理論を解説した。

「3つのポイントがある」という桑田氏が最初に挙げたのは、「相手の心理状態を洞察せよ」というもの。

「特にバッターは大チャンスですから、何やっても点取れるだろうと隙が出る。もう一つは打たなきゃいけない、点取らないといけないでプレッシャーがかかる。一方、ピッチャーは捨て身になって開き直れるケースがある。ピッチャーとバッターでは心理状態が違う」と説明した。

続いては、「どんなことをしても1アウトを取れ」という桑田氏。「アウトの取り方って結構一杯ある。どういう風にアウトを取るかという戦略を練らないといけない。まずはアウトを一つ取るということ」と補足。さらに、3つ目のポイントには「自分が有利と言い聞かせる」と挙げた。

「まだ2つアウトを取らないといけないですから、不利は不利なのですが、野球というのは流れがありますから、ノーアウト満塁で向こうに行っていた流れを、少し引き寄せることができる。打者は、ゲッツーで0点というプレッシャーが更に押しかかってくる」と説きつつ、「野球というのは、相手の心理状態を利用しながら戦っていく、抑えていくというのも醍醐味なんですね。持って生まれた身体能力や技術だけでプレーしていてはダメですよ」とまとめた。

すると、“自分に言い聞かせる方法”を訊かれた桑田氏は、「僕はご存知のように、ボールに呟いていたんです。（具体的には）前の打席はカーブでアウトを取ったので、今度はカーブを狙ってくるからインコース、シュートでゲッツーを取ろうとか、言い聞かせるわけですね。結構、長いんですよ」と、桑田氏が現役時代に見られた“名物シーン”の裏側を明かした。