韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領と中国の温家宝首相は21日来日し、菅直人首相と福島市内の避難所を訪れ、福島第1原子力発電事故で避難している住民らを激励した。韓国メディアは、3首脳の福島訪問を相次いで報じた。

 李大統領と温首相は菅首相の要請を受け、同日午後にそろって福島市内の「あづま総合運動公園」体育館を訪問した。3人は避難住民を励まし、風評被害に苦しむ現地の野菜を試食して食の安全をアピールした。菅首相は試食の後、両首脳に「本当にありがとうございます」と感謝の意を示した。

 菅首相は、今回の日中韓首脳会談を機に、日本の農産物などの風評被害を払拭したい考え。同日夕、東京・元赤坂の迎賓館で開かれた菅首相主催の夕食会でも、福島県など被災地域の食材を使った料理がふるまわれた。

 韓国メディアは、3首脳が日本の農産物などの安全をアピールしたことを伝えながら、「効果は不透明」との見方を示した。

 また「福島第一原発による放射性物質流出は現在も続いており、セシウムによる汚染は広がっている」と指摘。「日本は不安感を払拭させるために首脳会談などの機会を活用したが、日本産農産物の安全性をキャンペーンするより原発事態を1日も早く収拾し、放射性物質の流出を防ぐことがもっとも急務であり重要だ」と報じた。(編集担当:新川悠)



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