一人話芸の日本一を決定する『東洋水産R-1ぐらんぷり2011』決勝戦が2月11日に開催され、佐久間一行が優勝した。佐久間は決勝戦で3回のネタを披露したが、3戦ともまったく異なるスタイルで芸達者ぶりを見せつけた。
 決勝進出者はキャプテン渡辺、COWCOW・山田與志、AMEMIYA、バッファロー吾郎・木村明浩、ナオユキ、スリムクラブ・真栄田賢、ヒューマン中村と佐久間の8人である。『R-1ぐらんぷり2011』決勝戦はトーナメント方式で、優勝までは初戦、準決勝、決勝と3回の勝負がある。

 佐久間の勝因は歌ネタ、フリップネタ、学生のコントと毎回スタイルを変更したことである。同じスタイルのネタを繰り返し見せられるよりは、異なるスタイルの方が好印象である。この点で佐久間の作戦勝ちといえるが、実力がなければできないことである。これは審査員の桂三枝も称賛していた。
 ピン芸人には芸風が固定化している人が多い。佐久間自身も観客が理解できない話を続け、「ついてこーい」と言って笑いを取るスタイルが鉄板になっている。しかし、この佐久間のスタイルは内輪にだけ通じるような笑いであって、グランプリには不向きである。『R-1ぐらんぷり2011』では封印し、代わりに小道具を効果的に活用した。
 佐久間は初戦で井戸の妖怪になりきって、歌ネタを披露した。分かりやすく、楽しめるネタである。ただし、一人話芸の日本一にふさわしいかといえば、子どもだましの感がある。佐久間が同じスタイルを踏襲しなかったことは正解である。
 初戦で佐久間に敗退したヒューマン中村はテレビ出演2回目ながら、なかなかのパフォーマンスであった。感動や発見などのテーマを大げさなものからランクを下げていくネタで、三段落ちが優れていた。ヒューマン中村の不幸は初戦で佐久間と対決したことであった。佐久間とヒューマン中村の対決が決勝戦でも不思議ではなかった。

 準決勝は佐久間の芸の中で最も微妙であった。原始人による「あるある」ネタをフリップ芸で披露したが、原始人の言葉なので何を言っているかわからない。フリップの絵の内容と佐久間の身振り手振りで笑わなければならない点で観客のハードルが高くなっている。
 それでも裏番組で放送中のドラえもんをタイムマシンで登場させ、原始人の髪飾りとスネ夫の髪型を比較させるフリップは爆笑を誘った。ドラえもんはいろいろな笑いに使えそうであるが、スネ夫の髪型に注目させることは予想外であった。

 佐久間の幸運は準決勝の相手がスリムクラブ・真栄田であったことである。『M-1グランプリ2010』で大活躍したスリムクラブからの出場ということで、注目度は高かったが、ボケ役だけでは暴走し過ぎて意味不明になっていた。真栄田の非常識な言動に反応する相方の内間政成が存在してこそ、笑いが成り立つ。ピン芸では真栄田の非常識な言動を観客がダイレクトに受け止めなければならず、笑いよりも戸惑いが大きくなる。

 佐久間は決勝では幼虫を気持ち悪がる学生のコントを披露し、6対1の審査員の評価で圧勝した。対戦したAMEMIYAは歌手としての活動歴もあり、自作の歌ネタをギターで弾き語りするスタイルが特徴である。『R-1ぐらんぷり2011』決勝戦では3戦とも同じスタイルを貫いた。ネタは「冷やし中華始めました」「TOKYO WALKERに載りました」「この売り場から、一等が出ました」とテーマこそ相違するが、内容的には人間の不幸をネタにする点で共通しており、3回ともなると食傷気味になる。
 ネタの内容も佐久間とAMEMIYAの明暗を分けた。AMEMIYAは転落していく人の不幸を笑いにするものである。これは実際に不幸に苦しんでいる人には笑えない内容である。これに対して佐久間のネタは老若男女楽しめる。諦めずに挑戦し続けた佐久間の納得の優勝となった。

(林田力)

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